- 作者: 北原保雄,いのうえさきこ
- 出版社/メーカー: 大修館書店
- 発売日: 2007/12/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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BOOK〜何が気になる?どうして気になる?…『続弾!問題な日本語』
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20080919
・「お名前をいただけますか」
〜やり取りのできるものについて「いただけますか」「頂戴できますか」と聞くのは少しも変ではありません。「名前」や「電話番号」はもらうことができないものだから、
「いただけますか」「頂戴できますか」とお願いするのは変なのです。ひょっとすると、英語の、May I have your name?が背景にあるのかもしれません。つまり、直訳すると
「あなたのお名前をいただいていいですか」という丁寧な聞き方があることから作られた言い方のような気がします。
・「五里霧−中」VS「五里−霧中」どっち?
〜「五里霧−中」が本来の区切り方。五里霧=五里四方に立ちこめる霧のこと。
・「さくっと」
〜二十年くらい前には、「さくさく」という形で、使われていました。「宿題なんか、さくさくやってしまおう」のように、面倒だったり嫌だったりすることでも、手際良く進めていくさまを表します。
その表わす状態が感覚的に多くの人に共有され、広がったと思われます。
・「うちの奥さん」
〜「奥さん」は、「奥様」から転じた語で、元来は大きな屋敷の奥にいる人の意。今までは、もっぱら他人の妻の尊敬語として、「君の奥さん、お元気ですか?」などと使うのが一般的でした。しかし現在、妻を軽い敬意をもって表したいという要求に応えて、自分の妻をさす言葉としても広く使われているようです。
・「すばらしい演技に鳥肌が立つ」
〜寒さや強い恐怖感や嫌悪感、不快な状況を表すときに本来使われますが、強烈な感動、感激の表現としても、用法の拡大として用いる例は多くなっています。ただし、実際に鳥肌が立ってもいないのに、単なる強調表現、比喩表現として安易に使うのは避けたほうがいいでしょう。
・「元も子もない」の「子」って何?
〜「元」は元金のことで、「子」は利子のこと。もともとあるはずのもの(元金)も、そこから生まれる利益(利子)もない、要するに、何もないという意味。
・「本が売っている」
〜「本が販売中である」という出来事を伝える場面で使われますが、主語と述語がねじれた、誤った言い方です。
・「次の話題に移りたいと思います」
〜自分の行為を宣言するときに、「〜たいと思います」が使われるのは、「今から現場に行きます」や「エールを送ります」と言い切ってしまうのが、ぶっきらぼうに聞こえるためでしょうが、冗長な印象や、時に深いな印象を与えます。自分の行為を宣言するときは「します」「いたします」とはっきり言い切ったほうがよいでしょう。
・「結果を出す」
〜「結果」というのはプラスの場合もマイナスの場合もあるのだから、「結果を出したい」などと使うのは不適切ではないか、という疑問を持つ人も多いようです。本来意味的に中立であった語が、プラスの意味に使われるようになった例とみることができます。「あした天気になあれ!」の「天気」が「よい天気・晴れ」を表しているのと同様な用法です。
・「ですよねー」
〜「〜よね」は、互いに前々から知っていたことや知っていて当然のことを確認し合う言葉です。知らないことを尋ねている質問に対して「〜よね」と答えたり、「〜よね」で質問したりすると、強引な感じを与えます。
・「逆に」
〜最近、逆でもない内容のことを続けているのに、「逆に」「逆に言うと」などの言い方をする人がいます。どうも「逆」という明確な意識がなく、「別の言い方をすると」「他の言い方をすれば」くらいの気持ちで使っているのではないかと思います。「逆」の持つ正反対という意味が弱くなっているでしょうか。「真逆」などという「逆」の意味を強調する新語が作られたのはそのせいでしょうか。
何気に描かれている、いのうえさきこさんのマンガもケッサク!(^^♪ おススメです。