「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜『神道からみたこの国の心』(樋口清之 井沢元彦)

神道からみたこの国の心 (徳間文庫)

神道からみたこの国の心 (徳間文庫)

私は毎年のお伊勢参りは欠かさない。必ず1〜2回は行くのだ。伊勢神宮の独特の澄んだ空気感はたまらないよね。やっぱり神道は日本人の根底にあるんだよね。(゜o゜)


BOOK〜『日本人のための神道入門』(武光誠 グレイル)
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20101020


さてこの本は。「梅干と日本刀」の樋口清之氏と井沢元彦氏の対談集。


日本人は自分ではそうとは意識していないが、みな神道の宗徒であり、世界一宗教心の厚い国民だった。封印され続けてきた日本人の「内なる原理」とは何かを鮮やかに浮き彫りにした名著。その中でも、卑弥呼聖徳太子のエピソードがオモシロイのだ。その一部を紹介しよう。


(井沢) 卑弥呼というのは、これは固有名詞ではないですよね。普通名詞、あるいは一般名詞と言うよりも、称号と言ったほうが分かりやすいかもしれません。例えば総理大臣を村山富市さんという人がおやりになっている場合、卑弥呼というのは、総理大臣という詞であって、村山富市あるいは富市という詞ではありませんね。


(樋口) はい、そこから入るのはいいと思います。卑弥呼というのは「ヒメミコ」という日本語からきているのでしょう。そこのところを誤解している方が多いと思いますよ。本名は別にあるのだと思いますが、それは明かさない。卑弥呼の娘と言いますが、後継ぎをトヨ、あるいはイヨと言いましょう。あれにしても、トヨというのは固有名詞ではなく、普通名詞です。トヨは「臺与(トヨ)」ですが、意味としては「豊」でいいと思います。豊鋤(トヨスキ)とか豊毘売(トヨヒメ)、トヨがつく神様は古典にはたくさん出てきます。


(井沢) そうしますと、例えばいま天皇の後を継ぐ人を皇太子と呼ぶように、邪馬台国においてはトップが卑弥呼、ヒメミコであり、その後を継ぐ人が臺与であった、ということになりますか。
卑弥呼が死んだのは、紀元248年頃と、だいたい分かっています。その年に90年ぶりの皆既日食が起こっていた。この皆既日食卑弥呼の死とが何か関係しているんじゃないか、これは偶然とは思えません。卑弥呼は「日巫女」または「日御子」であって、太陽信仰のシャーマンだったと思いますが、皆既日食は太陽が隠れてしまうのだから、古代人はそれを卑弥呼のせいだと考えて当然です。卑弥呼の霊力が落ちた。これは一度死んでもらって、より霊力が強い魂として再生してもらわなければならない。むしろ自ら望んで死んで臨んだとう考え方だってできるかもしれません。


(井沢) 聖徳太子という名前ですが、これは仏教の信仰から来ているという人が多いですね、しかし、私は仏教ではないと思います。なぜなら、日本では「徳」とう字は、どうやら良い意味には使われてこなかったようだからです。聖徳太子の以後の天皇で、「徳」の字がつく方は六人いらっしゃるのですが、調べてみますと、不幸な死に方をしていたり、みなさんどうも不吉な影を持っています。この「徳」という字が良い意味なら、聖徳太子以後の偉大な天皇の称号に使われているはずなのに、うしろ逆なんです。 〜 中略 〜 結論から言いますと、「徳」の文字は仏教からきているのではなく、日本人の怨霊信仰からきているのではないか、ということです聖徳太子天皇ではありませんが、限りなく天皇に近かった人。そして以後の六人の天皇と続く「徳」の文字は、怨霊封じのためにつけられたと思っています。



井沢元彦の書斎
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