「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「逆説の日本史4 ケガレ思想と差別の謎」(井沢元彦)


最近、ハマリにハマっていて毎日読んでいる井沢元彦氏のこのシリーズ!(・∀・) 歴史の教科書にして欲しいくらいオモシロイ!


BOOK〜『逆説の日本史1 古代黎明編 封印された「倭」の謎』
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20130228

BOOK〜『逆説の日本史2 古代怨霊編 聖徳太子の称号の謎』
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20130315

BOOK〜『逆説の日本史3 古代言霊編 平安遷都と万葉集の謎』
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20130327



さて、封印された歴史をウラ側から読み解く第4弾は、日本独特の差別意識を生むケガレ忌避思想を解明し、その精神性の本質に迫る。そのエッセンスを紹介しよう。


日本政府は、「危機管理」という点において、まったく無能だったということだ。では、なぜそうなったのか。なぜアメリカとは違うのか。政府の危機管理能力は昔からのことなのか。決して、そうではない。たとえば鎌倉時代、海の向こうから元(モンゴル)軍が攻めてきた。当時の政府である鎌倉幕府はこれに見事に対応し撃退した。しかし、一方、同じ武士による「軍事政権」であるはずの徳川幕府は「ペリーの黒船」に対応し切れず、その幕を閉じた。一体この違いはどこにあるのだろうか簡単に言えば、日本には「危機管理などの政府の仕事ではない」という民族としての伝統が根強くあるからだ。


非武装中立論」というのは、日本人だけに通用する特殊な理論であることをまず知って頂きたいのだ。スイスのように「武装中立」ならないこともない。これは事実である。旺盛であれ民主制であれ、世界中のまともな国家で政府の責任者が「軍隊はいらない(非武装でいい)」などと言えば、たちまち囂々(ごうごう)たる避難を浴びるということだ。理由は簡単だ。国家は「国民の生命と財産を守る義務がある」からだ。いや、そのためにこそ存在していると世界中の人々は考えている。だからこそ「軍隊はいらない」などといえば、その義務を放棄したとんでもない無責任なヤツとみなされるわけである。どうして、日本人はこんなに「おかしく」なってしまったのか。その原因は平安時代にある。


「ケガレ」という思想が日本人にはある。これは事実であって、私の意見でない。たとえば、普通の日本人は家に帰ると、自分の箸と茶碗(御飯茶碗)を持っている。つまり、専用で他人には使わせない食器を持っている。われわれは、他人が長い間使った箸や茶碗に、その人独特の「垢」のようなものを感じている。これがケガレなのである。ケガレは実体としては存在しない。徹底的に消毒すれば少なくとも99.9%までは汚れは落ちるはずだ。科学全盛の現代ですら、われわれは「ケガレ」を信じているのだ。ケガレ思想は、怨霊信仰・言霊信仰と共に日本が生まれた時からあり、日本人の思想と行動に甚大な影響を与えている。そしてその最も重大な影響とは何か?それはケガレは、「差別」を生むということなのである。


その他、古今和歌集六歌仙編」「良房と天皇家編」「源氏物語菅原道真編」「反逆者・平将門編」「院制と崇徳上皇編」「武士はなぜ生まれたのか編」「平清盛平氏政権編」…など。眠れなくなるほどオモシロイ!オススメです。(・∀・)