- 作者: 井原万見子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2008/12/19
- メディア: 単行本
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今から思うと小さな本屋さんで文房具も置いていたから本や雑誌のスペースは狭かったはず。でも私には小宇宙のような広さだったのだ。
さて、この本の舞台は、紀伊半島のほぼ中央部、和歌山県日高郡日高川町(旧美山村)の山奥にある、わずか20坪ほどの小さな本屋、イハラ・ハートショップ。親戚が自動車修理工場のイハラ・ボデーショップを開業していたため、ボデー(体)の対してハート(心)にちなんでつけた名前なんだとか。和歌山駅から在来線で60分、御坊駅で降りて、路線バスで川原河まで50分、そこから町のコミュニティバスに乗り換えて約20分。住人約100人の山奥の小さな本屋さんなのだ。
村の本屋として、地元の人たちの要望でできた本屋。山の中に一軒きりの小売店になったので、地域で暮らすお年寄りから生活していく上で求められるものも販売するようになったのだとか。し、しかし!タイトルどおりスゴイんだよ〜!!!
雑誌、一般書だけではなく、暦、農文協の農業書、文庫、絵本はもちろん、缶詰、乾物、種、味噌、塩、洗剤、電池、町指定のごみ袋、仏壇用のお線香、アイスクリームに冷たいジュース、ガム、駄菓子など村を支えているのだ。
お話し会、読み聞かせ、作家のサイン会、講演会、絵本の原画展などのイベントなど村の子どもたちと次々と楽しい「事件」を起こしているのだ。レジ周りには、統合前の旧美山村立愛徳中学校の生徒さんたちの写真が!
「何もないから、何でもできるんやで。待っていてもお客さんに来てもらえない本屋なら、こちらからも動く、そんな元気な店だと知ってもらおう。こんな山中においてでも本が人と人をつないでくれたんです」
「今日はええ天気やなあ」とか、「よっぽど、暑いなあ」という時候の話や、なんの気なしに話ができる場所。本屋としてというより、地域にとっては、こうした小売店がコミュニティの場所にもなるのだと思うのでした。このkとがあってからは、子どもの行事などや定休日の水曜以外は、閉めないようにしています。
この本には、小さなお店が生き残り、地域と密着していくにはどうしたらいいのか?そんなヒントが満載。一度行ってみたいなあ!めっちゃ面白い!オスッスメです。(^o^)丿
イハラ・ハートショップ
http://www5.ocn.ne.jp/~i-heart/
イハラ・ハートショップの春夏秋冬(ブログ)
http://i-heart.blog.ocn.ne.jp/2009/