- 作者: 永六輔
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1994/03/22
- メディア: 新書
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さて、この本は私の好きな永六輔氏。誰が言ったのだか、書いたのだか判らなくて、それでいて人の心をぎゅっと捕らえて離さない言葉を集めたもの。人はみな必ず死ぬ。死なないわけにはいかない。それなら、人間らしい死を迎えるために、深刻ぶらずに、もっと気楽に「老い」「病い」、そして「死」を語りあおう。そのエッセンスを紹介しよう。
・「人間、今が一番若いんだよ。明日より今日の方が若いんだから。いつだって、その人にとって今が一番若いんだよ」
・「相撲世界には、三十代の「年寄」がぞろぞろいますよ」
・「煙草、酒、こんあにおいしいものをやめると…身体によくないよ」
・「別れ方がうまい人は、死に方もうまいのかなァ」
・「寝るっていうのは、結構エネルギーが必要なんですよ。老人が早起きするのは、そのエネルギーがないからです」
・「老人ホームはお洒落な二枚目のお爺さんを探しています。素敵なお爺さんがいるだけで、お婆さんたちが、みんないいお婆さんになりますから」
・「この猫は人間だと七十歳とか、動物の年齢を人間にたとえたりするけど、あれ意味がありますか?この人間は、猫だと何歳、なんて言わないものねェ」
・「老人たちに言うんですよ、文鎮になりなさいって。文鎮はそこにあるだけで、動かないで役に立っているでしょう。文鎮がしゃべったり動いたりしたら、いい字は書けませんってね」
・「癌の確率は四人に一人とかいいますけどね。当人にとってみればゼロか百なんですよね」
・「白内障の手術をしましたらね、まァ世の中がきれいに見えるようになって嬉しくなりましてねェ。でもひとつガッカリしましたのは、鏡でね、自分が婆さんだってことがよくわかりました」
・「死ぬということは、宇宙とひとつになるということ」
・「腹上死っていうのは…その…相手が女房でも、腹上死っていうの?」
・「葬式で、赤ちゃんの声が聞こえると、何だかホッとするんですよ。子供は葬式に重要です」
・「死ぬ前になりますと、人間は炭酸ガスが増えるんです。この炭酸ガスに麻酔性がありますから、最後はそれほど苦しまずに終わるようにできているんです」
・「長く生きるコツ、簡単です、死なないようにすればいいんです」
・「死んだら他人の世話になるんだから、生きている間に他人の世話をしとかなきゃね」
あとがきの「弔辞」は永さん自身が自分自身にあてた言葉は特に胸を打つ…。こんな文章を自分に宛てて書いてみたい!オススメ。