「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜老いとは?死とは?…『大往生』(永六輔)

大往生 (岩波新書)

大往生 (岩波新書)

私の父が69歳で亡くなって早や7年。祖父は72歳、曽祖父も72歳。案外小野塚家の男性はあまり長生きしない(!?)家系なのかもしれない。(^^♪

さて、この本は私の好きな永六輔氏。誰が言ったのだか、書いたのだか判らなくて、それでいて人の心をぎゅっと捕らえて離さない言葉を集めたもの。人はみな必ず死ぬ。死なないわけにはいかない。それなら、人間らしい死を迎えるために、深刻ぶらずに、もっと気楽に「老い」「病い」、そして「死」を語りあおう。そのエッセンスを紹介しよう。


・「人間、今が一番若いんだよ。明日より今日の方が若いんだから。いつだって、その人にとって今が一番若いんだよ」

・「相撲世界には、三十代の「年寄」がぞろぞろいますよ」

・「煙草、酒、こんあにおいしいものをやめると…身体によくないよ」

・「別れ方がうまい人は、死に方もうまいのかなァ」

・「寝るっていうのは、結構エネルギーが必要なんですよ。老人が早起きするのは、そのエネルギーがないからです」

・「老人ホームはお洒落な二枚目のお爺さんを探しています。素敵なお爺さんがいるだけで、お婆さんたちが、みんないいお婆さんになりますから」

・「この猫は人間だと七十歳とか、動物の年齢を人間にたとえたりするけど、あれ意味がありますか?この人間は、猫だと何歳、なんて言わないものねェ」

・「老人たちに言うんですよ、文鎮になりなさいって。文鎮はそこにあるだけで、動かないで役に立っているでしょう。文鎮がしゃべったり動いたりしたら、いい字は書けませんってね」

・「癌の確率は四人に一人とかいいますけどね。当人にとってみればゼロか百なんですよね」

・「白内障の手術をしましたらね、まァ世の中がきれいに見えるようになって嬉しくなりましてねェ。でもひとつガッカリしましたのは、鏡でね、自分が婆さんだってことがよくわかりました」

・「死ぬということは、宇宙とひとつになるということ」

・「腹上死っていうのは…その…相手が女房でも、腹上死っていうの?」

・「葬式で、赤ちゃんの声が聞こえると、何だかホッとするんですよ。子供は葬式に重要です」

・「死ぬ前になりますと、人間は炭酸ガスが増えるんです。この炭酸ガスに麻酔性がありますから、最後はそれほど苦しまずに終わるようにできているんです」

・「長く生きるコツ、簡単です、死なないようにすればいいんです」

・「死んだら他人の世話になるんだから、生きている間に他人の世話をしとかなきゃね」


あとがきの「弔辞」は永さん自身が自分自身にあてた言葉は特に胸を打つ…。こんな文章を自分に宛てて書いてみたい!オススメ。