私が以前勤めていた旧外資系保険会社。32歳で完全フルコミッションの世界に飛び込んだ。
ここでは新卒がいない。全員転職組、しかも業界未経験者のみという珍しい社風だった。
入社して最初の一ヶ月間に保険とはなんぞや!という基本から売り方まで徹底的な研修を受ける。
試験を受けて二ヶ月目から販売開始なのだ。約8年間お世話になったが、ここでの様々な出来事が
私の人生で最も視聴率が高かった(!?)時期だ。
今、こうしてウチ(SA)でセールスやコミュニケーションのトレーニングや講演をしているのも、その時に
徹底的に営業現場で鍛え上げられてきたからだ。本当に感謝している。
この「てんびんの詩」は、その研修期間中に初めて見た。泣いた…、感動した…。(T_T)
あれから何度も何度も繰り返し反復して、見るたびに泣いた…、感動した…。
そして久しぶりに見ちゃいましたよ〜!知る人ぞ知る名作だね…。この映画は劇場でも公開していないし、レンタルビデオ屋にも置いていないけど絶対オススメ。特別にそのあらすじを紹介しよう。
時代背景は大正か、昭和初期だろうか。小学校卒業した主人公・近藤大作、13歳。
学校の成績は優等賞を取るなど頭がよかったのだが、代々商人の家ということで、
進学はさせてもらえず、卒業の翌日から鍋蓋(なべぶた)を売るのがこの家の決まりだった。これに逆らえば、後取りとして認められないのだ。
父から呼び出され、正座する大作。「お前、明日から鍋ぶた売るんや。売ってみりゃわかる」
と理由もいわれない。そして丁稚の格好をして天秤棒を担ぎ、鍋蓋の行商に出かけるのだ。
しかし、売れない。親戚にいっても、お願いしても、取引先に行っても断られるのだ。
そのうち、ウソをついても、モミ手で、お世辞を使っておべっか使って、でも売れない…。
「誰だって必要ないものは買わない」「あんた、自分のために鍋蓋売ろうとしてるでしょ?」
学校に通っている同級生からは馬鹿にされる。
毎日持たされる弁当は、白米と梅干のみでおかずはない。
「おかず食べたかったら鍋ブタ売って、自分の口銭で買いなさい」と母はいう。
それでも売れない…。まったく売れない…。落ち込んでいると以前断られた農家のオヤジと
ばったり会って自分は商人に向いていないのではないか…と愚痴る。
「おっちゃん、農業ってしんどいんか?」
「しんどいのは何をやっても同じや。でも自分の子供は商人にしたいな。百姓はただ食うだけや。
商人なら自分の才覚と努力でいくらでも稼げる」
「おっちゃん、ありがとう!わし、がんばるで!」と勇気づけられる。
そして三ヶ月後、初めて売れたシーンが感動!!!(T_T) 親子の愛が伝わってくる。
「商売はな、てんびんの棒と一緒や。どっちが重くてもだめや。売り手と買い手の心がひとつにならんとな」
「人に好かれる人になりなはれ!」
まるで自分ごとのように苦しかった昔を思い出す…。いいなあ…。営業って、セールスっていいなあ!(^<^)
「初心忘るべからず」だね。何度見てもいい映画はいいよね。おススメです。
てんびんの詩 第1部 「原点編」
http://tenbinnouta.com/html/tenbin01.htm