「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜怪物・江川卓はなぜ史上最高なのか!…『真実の一球』

真実の一球―怪物・江川卓はなぜ史上最高と呼ばれるのか

真実の一球―怪物・江川卓はなぜ史上最高と呼ばれるのか

先日、元巨人、阪神のエース・小林繁氏が亡くなったよね。好きだったなあ…。あの江川事件は球界を揺るがせたよね。そう、この本のテーマは、江川卓だ。私が江川をテレビで初めて見たのは、法政大学時代だったので、甲子園での活躍を見てないんだよね。江川卓が残した伝説の記録。1試合最多奪三振23 個。連続145イニング連続無失点、ノーヒットノーラン12回(完全試合2回含む)とケタ外れのスケール!そんな凄かったとは!?
高校1年生秋、江川卓が最も速い球を投げた、10連続三振前橋工業戦での新事実とは? 江川に投げ勝った男、江川の陰で耐えた男たちのエピソードを交え、作新学院江川卓「怪物伝説」の軌跡と真相に迫るノンフィクション。ちょっと長くなるけど、エッセンスを紹介しよう。


日本スポーツ史上、高校生で初めて「怪物」の称号を付けたのは、そう江川卓。あの江川卓だ。甲子園で誰が一番速かったか?江川世代は言う。「松坂だって凄い凄いというけど、バットに当たるだろ。江川はバットに当たんないんだから」 「160キロは出てたんじゃないか」そんなバカな?でも大真面目に言う。いまだ夢の160キロを投げた日本人はいないとされる中、36 年前に若干17歳の高校生がすでに投げていた!?


江川が史上最高だという元プロ野球選手たちが大勢いる。サスライの三冠王落合博満(現中日監督)でさえも、現役時代、江川が一番と公言している。さらに江川が最高だという人たちの大半が、高校時代の江川卓の方がもっと凄かったと。高校1年、2 年の江川の球を見た人はきまって、「凄い」を連発する。むしろ「凄い」しか言わない。「凄い」はわかったから、何がどう凄かったのかを知りたい。「凄い」は聞き飽きた。この思いがきっかけになった。


・公式戦デビューブロック準決勝の烏山戦は完全試合。栃木県高校野球では史上初の快挙だ。それも中学を卒業してまだ4ヶ月の 1年生ピッチャーだ。
「江川の投げてくるボールの周りに“グワァー”というオーラがありましたから」「江川の球はすべてベルト上からホップするんです。ダイナミックなフォームに実にいい縦の回転をしているんです。みんな3球三振ばかりです。150キロは出ていたんじゃないですか」「あんなピッチャー見たことがない。10年にひとりとか言ってましたけど、そんなレベルじゃない。選手たちは二階からボールが来る感じですっていってました。凄いピッチングでした」


・高校二年の夏の栃木県予選は、全国に作新江川ありと知らしめた大会でもある。3試合連続ノーヒットノーラン(うち完全試合1)。4試合目も9回までノーヒットノーランで延長11回サヨナラ負け。36イニングス被安打0、奪三振62。
横浜高校の渡辺監督に聞いた。『松坂と江川とどっちが凄かったか?』

「江川ですね。江川は松坂より遥かに独特のオーラを持った選手でした。高校時代の江川は別格に凄いと思いました。松坂もキレ味がありましたけど、江川の場合は低目からグィ〜ンとホップしてくる。合わないんですよ。バットが。カスらない。試合中に対策なんかできなかったです。走らせようとしてもランナーが出ないですから」


横浜高校部長の小倉はいう。「松坂とは問題にならないですね。まずあれほど伸びる高めの真っすぐはちょっといないですね。カスらないですから。あと大きくて落差があってカーブがいいでしょ。今のスピードガンで計ったら158、9キロはくらい出てたでしょうね、対策といってもやりようがないでしょう。ヘルメットを深くかぶらせて高めを振るなって言ってもストライクですからね。コントロールもいいし。やりようがないです。松坂がいくら三振取るっていってもある程度のチームが来たら三振の数は変わらないと思います。でも江川は平均すると三振15,6個は取るでしょ。歴代ナンバーワンです」


「バットにボールが当たっただけで拍手が起こる」江川が出場したセンバツ大会を語るときには必ず出るフレーズだ。そして夏の県予選。作新が出場する日は、警備にも普段の三倍にあたる40人の警察官を動因、皇太子(現天皇陛下)ご夫妻が来県した以上の警備体制。車で来客する台数が約5000台にもふくれ、隣接する軟式野球場を解放して急遽、臨時駐車場にしたのであった。ケタ外れの江川人気であった。準決勝では徹夜組約100人、決勝戦当日は悪天候にもかかわらず徹夜組が150人以上、甲子園大会ではなく、地方の県予選で徹夜組が出るなんて前代未聞!球場周辺の道路は朝から3キロ渋滞で完全に交通マヒ。


・高校三年夏の江川の県予選は、5試合投げてノーヒットノーラン3回。ヒットはたったの2本しか打たれていない。1 試合平均三振奪取率15。専門家によると、これでも六分の力だというのだからまったく恐れいったものである。


・江川と旧知の仲である国際武道大学監督の岩井はいう。「06年に全日本の監督になってキューバハバナで開催された第三回世界野球選手権でデービット・プライス(現デビルデイズ)が101マイル(約162キロ)投げたんですけど、ベンチで見る限り江川の方が速かったですね。ベンチからの見た角度のスピードでは高校1年と2年の江川は速かったです。高校3年は遅かったですね。江川に聞いてみればわかりますが、一番速かったのは高校1年から2年にかけてだと思います」


・全国の高校生がこの3年間、“打倒江川”を合言葉に凄まじいほどの練習を積んで来た。江川の存在がどれほど、球児たちの目標となり励みになったか。不屈の闘志、限界への挑戦、極限の忍耐を身をもって体験した江川世代。誰かが言っていたが江川世代は江川の名前を出せば一晩中でも話ができると。江川という巨星を倒そうと、皆死に物狂いで練習をした。強豪校、弱小校問わず、江川を倒したいという思いの強さは皆変わらない。だからこそ、松坂世代、KK(桑田・清原)世代でも決してけして見られない連帯感が江川世代にあるのだ。江川卓高校野球がなくならない限り、永遠に語り継がれる名前と記録。


どっひゃー!(>_<)凄すぎる〜!!!江川には、一度監督かピッチングコーチをやってもらいたいね。オススメよ。(^。^)