- 作者: 山本暢俊
- 出版社/メーカー: 彩流社
- 発売日: 2007/02/01
- メディア: 単行本
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私は小学校の時、甲子園熱戦物語とかなんとかいう本で写真と名前を見て、何度繰り返して読んだことか。そしてあの名作アニメ「巨人の星」でも星一徹とのエピソードでも登場したこともあるのだ。一説には、原作者・梶原一騎が主人公、左腕の剛速球投手である星飛雄馬のモデルにした、とも言われている。
この本はその嶋投手の評伝。1939年(昭和14年)の第25回全国中等学校優勝野球大会(夏の甲子園)で前人未到の全5試合を完封、準決勝・決勝では2試合連続ノーヒットノーランで優勝という偉業を成し遂げる。シンジラレナ〜イ!凄過ぎるっ!(>_<)
手前:明大時代の嶋
そして明治大学に進学し、戦争によって野球を奪われた悲運の投手・嶋。真面目で温厚な好青年。反面気の弱い面があって、凄いボールを投げながら、ここ一番でよく制球を乱した嶋。ノーヒットノーランについてどこにもコメントを残さなかった嶋。2008年野球殿堂特別表彰で殿堂入りした嶋。
彼の生涯と青春、彼を支えた数多くの人々…。
前列左から二人目が嶋
その中でおぼろげながらよみがえったのが、あの巨人の星のエピソードだ。その一部を紹介しよう。
・巨人の星 第125話 「ズックのボール」
巨人の新人三塁手・星一徹は偶然嶋と出会う。一徹はラジオで昭和14年、甲子園での嶋の活躍をずっと聴いていたが、決勝戦はいてもたってもいられず会社をサボって見に行ったと話す。そして嶋の二試合連続ノーヒットノーランが、当時野球選手になるかどうか迷っていた一徹の心に決定的な答えを出してくれたと嶋に感謝する。
「いつになったら野球をやれるんでしょうね」嶋は、ズックで作ったボールを一徹に見せ、「帰ったらすぐに投げられるように」と微笑む。
その直後、嶋と一徹は激しい機銃掃射を受ける。ふたりは懸命に逃げるが、嶋は銃弾に倒れてしまう。頭に傷を負い瀕死の嶋は、見守る一徹に、「お会いできた記念に受取っていただけませんか」とズックのボールを手渡す。
「先輩、ぼくに約束してください。必ず日本の空に、再びボールを、白球を飛び交わせることを…それが僕の意志です。先輩お願いします」
「嶋君、約束しよう。必ず生きて帰って日本の空に再び白球を飛び交わせることを」
「先輩…」
「ぼくはこのボールに賭けて誓う。君のその願いは必ず必ず…」
しかし、その一徹も肩に重傷を負ってしまう。、彼は再び日本の土を踏み巨人軍のユニフォームを着るが戦争で撃痛めた肩は元には戻らない。しかしそのズックのボールが思わぬ変化球になって魔送球を生み出し巨人軍へ復帰する…。
いつも思うけど、野球を楽しめるってなんて幸せなんだろう。イチローや松井と同じ時代を生きているってなんて恵まれているんだろうと。
世界から戦火が亡くなる日を夢見ています。ん〜いい本だ!実際に投球を見たかったなあ!オススメ!
平和の象徴 不世出の左腕・伝説の大投手 嶋清一
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/simaseiiti.htm