“弁当の日”がやってきた―子ども・親・地域が育つ香川・滝宮小の「食育」実践記 (シリーズ・子どもの時間)
- 作者: 竹下和男,香川県綾南町立滝宮小学校
- 出版社/メーカー: 自然食通信社
- 発売日: 2003/09/01
- メディア: 単行本
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「弁当の日」の原則は、小学校5・6年生のみで、月1回、年5回、親が決して手伝わず、子供が自分で献立を考え、材料を買いに行き、調理を行うこと。そして、「弁当の日」に託した六つの夢は、コレ。
1 「一家団欒の食事」が当たり前になる夢
2 食べ物の「命」がイメージできるようになる夢
3 子どもたちの感性が磨かれる夢
4 人に喜ばれることを快く思うようになる夢
5 感謝の気持ちで物事を受けとめられるようになる夢
6 世界をたしかな目で見つめられるようになる夢
その中でも心に響いたのが、平成14年度の卒業式に竹下校長が卒業生に贈ったことば・卒業文集への寄稿だ。その全文を紹介しよう。(^−^)
あなたたちは、「弁当の日」を二年間経験した最初の卒業生です。
だから11回、「弁当の日」の弁当づくりを経験しました。
「親はけっして手伝わないでください」で始めた「弁当の日」でしたが、どうでしたか。
食事を作ることの大変さが分かり、家族を有難く思った人は優しい人です。
手順良く出来た人は、給料を貰える仕事についたときにも、仕事の段取りのいい人です。
食材が揃わなかったり、調理を失敗したりしたときに献立の変更が出来た人は、工夫が出来る人です。
友達や家族の調理のようすを見て、技を一つでも盗めた人は自ら学ぶ人です。
こまやかな味の違いに調味料や隠し味を見抜いた人は自分の感性を磨ける人です。
旬の野菜や魚の、色彩・香り・触感・味わいを楽しめた人は心豊かな人です。
一粒の米・一個の白菜・一本の大根の中にも「命」を感じた人は、思いやりのある人です。
スーパーの棚に並んだ食材の値段や賞味期限や原材料や産地を確認できた人は、賢い人です。
食材が弁当箱に納まるまでの道のりにたくさんの働く人を思い描けた人は、想像力のある人です。
自分の弁当を「おいしい」と感じ「うれしい」と思った人は、幸せな人生が送れる人です。
シャケの切り身に、生きていた姿を想像して「ごめん」が言えた人は、情け深い人です。
登下校の道すがら、稲や野菜が育っていくのを嬉しく感じた人は慈しむ心のある人です。
「あるもので作る」「できたものを食べる」ことが出来た人はたくましい人です。
「弁当の日」で仲間が増えた人、友達を見直した人は人と共に生きていける人です。
調理をしながら、トイレやパックのゴミの多さに驚いた人は社会を良くしていける人です。
中国野菜の値段の安さを不思議に思った人は、世界を良くしていける人です。
自分が作った料理を喜んで食べる家族を見るのが好きな人は、人に好かれる人です。
家族が手伝ってくれそうになるのを断れた人は、独り立ちしていく力のある人です。
「いただきます」「ごちそうさま」が言えた人は、感謝の気持ちを忘れない人です。
家族が揃って食事をすることを楽しいと感じた人は、家族の愛に包まれた人です。
滝宮小学校の先生たちは、こんな人たちに成長してほしくって二年間取り組んできました。
おめでとう。これであなたたちは、「弁当の日」をりっぱに卒業できました。
どう?感動しちゃうよね!(>_<)いいねえ!私も今でもたまにお弁当を作るけど、作るのも楽しいし、もちろん食べるのも楽しいよね。おススメ!
“弁当の日”がやってきた ON-LINE 自然食通信
http://www.amarans.net/books/4-916110-59-5.html