- 作者: 小池龍之介
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2008/03
- メディア: 単行本
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1978年生まれっていうから若いお坊さんだな〜、と思ったら、中身がけっこう深いのよ!文体も独特でオモシロイんだよね。そのエッセンスを紹介しよう。(^−^)
・世の中には、「自分の個性を生かそう」とか「かけがえのない自分を大切にしよう」とか、そういう言葉があふれています。しかし仏道の立場から見ますと、これらの言葉はとんでもなく有害。裏返して申しますと、「自分が、自分が」っていふ考えを薄めれば薄めるほど、自分に備わっている物欲しそうな雰囲気が取れてきて、周囲との交際も自然とすんなりゆくようになるものです。自分を薄める。自分濃度を薄め、透明感のあるものにしていく。美味しいお菓子をつくるのに、「ジブン」なんていうアクの強い成分は、小さじ一杯で十分であります。
・カフェやレストランや、映画を観終わった後、人ってやつは、いちいち何かに軽くケチをつけないと気がすまないようにできて、いるのかも、しれませぬ。試しに、一日だけでも、まったく何かにケチをつけずに過ごす努力をされてみることをお勧めします。それがいかに難しいかは、挑戦してみればすぐにお分かりいただけるかと思います。が、ケチつけの回数を減らすだけで、その人の雰囲気には気品のようなものが漂ってくるもの。
・「メィルを返すのが遅くなってすいません」その次に遅くなった言い訳がツラツラと…。そういうことを書けば書くほど、お互いが気まずくなるというもの。私はと申しますれば、すいません、とは謝らないように、あえて心がけており候ふ。
「前にお便りいただいてから、ずいぶん時間がたちました」。すいません、と言ってすませてしまうのは、気まずさを醸し出すのみならずして、さらに相手に対して余計に失礼だとぞ思ゆる。では、どうするか?
自分のメィルが遅くなっても、むやみに謝らない。言い訳はしない。仮に相手に謝られたとしても、無理なフォローはしないで、その話題はスルーする。無視する。申しますれば、ポジティブな無視。このような、単純かつ簡潔な解決法が如何でせうか。
・人の心てふものは、身近な人に対するほど期待も要求も強くなるものなり。しかし「身近」は、誤解、さもなくば幻想とぞ思ゆる。どんなに近しい人であっても、ホントのホントのところを言えば、それぞれ見ている世界が違い、どこまで行っても「他人同士」であることも、やっぱり確か。
「自分たちは同じ」「分かりあえるはず」てふ誤解を前提とするから、分かり合えないと感じたことにガッカリしたり、相手を非難したくなったり、人間関係が歪んでゆくように思われるのであります。あくまでも「他者」=「他人」として敬意をもって接することが、長きにわたり、新鮮かつ良質な関係を保っていく秘訣と申しませう。
ねっ?深いでしょ!?(^◇^)寝ころびながら読める気軽な本だけど、気付きが得られるというありそうで、なさそうだった本。おススメよ!(^−^)
家出空間
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