「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜『落語家はなぜ噺を忘れないのか』(柳家花緑)

人間国宝だった五代目柳家小さん永谷園のお味噌汁のCMでも有名だったね。(^◇^)小さん師匠の孫である若手のホープであり実力派・柳家花緑企業秘密暴露の秘蔵本!?これはスゴイ本だよ!まず、タイトルが惹きつけられるじゃああ〜りませんか!?吉本新喜劇チャーリー浜ふうに)


この本は、落語家が高座に上がるまでにやっていること、高座の上で考えていることを、自らをモデルに明かす。タイトルの「落語家はなぜ噺を忘れないのか」に始まり、「どうやって噺を面白くするのか」等々、落語にまつわる創意工夫を公開。あまり明かされることのない、落語家の頭の中、手の内を見せているのだ。こんなこと書いちゃっていいのかな!?その中のエッセンスを紹介しよう。


・祖父である五代目柳家小さんに弟子入りした15歳の春から37歳になる現在までに145本のネタを覚えました。その中身は。

1 いつでも高座にかけられるネタ 24本
2 2〜5回さらえば(軽めの稽古のこと)高座にかけられるネタ 72本
3 高座にかけたことはあるが造り出す必要があるネタ 49本


1 は、自分の中で噺がしっかり固まっているかとういうこと。単に話の筋が頭に叩き込まれているどころの話じゃありません。どのような情景のなかで物語が進み、登場人物はどんなキャラクターで、どういう気持ちで台詞を吐いているか、それらがお客さんに最も伝わるにはどういった演出がベストか。そこまで構築されているということ。


2 は稽古が足りていないもの。私のさらい方としては、まず一からひと通りしゃべってみます。言葉に詰まったときは、ネタを記したノートを見て確認をするし、しゃべっている最中にアドリブで台詞や言葉が変わる場合もある。


・新しく噺を覚えるときには私は、手本とする話をノートに書き起こすことから始めます。例えばその手本は、稽古をつけてもらう現場に持ち込んで録音させてもらったカセットテープですが、それをそのまんまノートに書き取っていく。
しかし立川談春師匠のように聞くだけで覚えてしまう人たちもいます。祖父も同じ。ですから、五代目柳家小さんのノートは1冊もありません。弟子である私はノートに書いて覚えるのでうちはノートだらけです。


落語というのは、ただコピーして噺を覚えればいいわけではない。自分なりに咀嚼して、自分なりの演出をしてこそ、本当にその噺を身につけたことになる。


・噺を面白くする上で「らしき」と同じくらい大切にしているのが、台詞の「間」です。人物の感情を際立たせたり、お客さんの笑いや感動を生むためには、絶妙な「間」というのは欠かせません。とはいえ、簡単にタイミングを掴めるものではない。師匠方から教わったり、自分でも日頃から意識して稽古を繰り返しながら身につけていくしかないのです。


・私には現在5人の弟子がいます。彼らは落語家になりたいから、花録の弟子になりたいから入門してきた。こちらから募集したわけじゃありません。やる気があるなら教えましょう、というスタンスは生涯変わらないと思う。私の方から、「ねえ、稽古しなさいよ」なんていうのはお門違いです。


・落語家の世界では、自分の師匠以外の人に噺を教えてもらうときは、礼を尽くすことが大切です。真剣に稽古に臨むことはもとより、感謝を忘れてはなりません。師匠方は時間を割いて、我が子も同然のネタを教えてくれるのですから当然です。その人の売り物をもらって、また自分がまた売り物にする。それでどれほど稼げるかわからないのですから、何万円持っていっていったって安いものです。


にゃるほど!( ..)φメモメモ 人前で話す私にはめちゃ参考になりました!(^◇^)