- 作者: 吉井妙子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/06/13
- メディア: 文庫
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松坂大輔、松中信彦、宮本慎也などの名選手8人のインタビュー集。野球というスポーツを、自分で考え、自分の言葉にしたという本。やっぱりスポーツって頭を使うんだね。(・。・)きっと彼らはどのビジネスをやったとしても一流になるのだろう。
「僕のピッチングスタイルは"自然の力"を借りたもの」、「毎晩、頭の中でイメージング」、「力が入らない楽なポイントが分かれば、無意識の意識が生まれる」、「マウンドには、人を殺しに行くという感じ」…などのコトバは道を極めた者だだけがたどり着いた境地のような気がする。みんな面白いんだけど、特に印象に残ったフレーズを紹介しよう。
・「僕は毎年、「今シーズンはこの球種に磨きをかけよう」というテーマを設けているんです。ストレートがテーマの年もあるし、チェンジアップを追及するシーズンもある。毎年1個ずつ磨きをかけていって、7種類がスパイラルに上がっていけばいいと思っています」 ボストン・レッドソックス 松坂大輔
・「僕の練習の基本は、これだけやったから大丈夫、絶対に負けるわけがない、という自信を手にすることですかね。野球の才能ははっきりいって、ないです。その代わり、どんなに練習がきつくても、どれだけ野球オンリーの生活を強いられても、努力する才能は他人に負けないと思う。健康管理、食生活の管理なども、野球がうまくなるためだったら全く苦ではないですね。24時間野球のことを考えられるか、と問われたら、考えられます、と答えられます」 福岡ソフトバンクホークス 和田毅
その中で、最もスゴイ!と思ったのが、元ソフトバンクホークスで、メジャーリーガーのシアトル・マリナーズの城島健司捕手だ。ちょっと長いけど紹介しよう。( ..)φメモメモ
・「データを参考にすることはあるけど、基本的には、自分がその場で感じた事を優先します。まあデータはお守りみたいなものですね」
・「言っちゃ悪いけど、負ける試合というのは年間何試合もある。その時に明日の勝利につながる負け方ができるかどうかは、キャッチャーの選択次第なんです。例えば、10−0で勝っていたとする。絶対にゼロで抑えなければならないというわけではない。終盤に2点くらい取られるのを覚悟で、明日のために、あるいはそのピッチャーの次の登板のために、いろいろ実験をしておきたいんです。もちろん、先発投手に完封かかっていればそのまま行きますけど。
例えば、斉藤和巳が先発で、10-2で勝っていたとする。「和巳、明日の先発は新垣渚だから、このコースを攻めたら打たれるのは分かっているけど、相手を惑わすために打たれておいてくれ」って。そういうことをシーズン中に度々、要求しますね。もちろん、前もって監督に断りを入れます。当然、ホームランを打たれたら査定に響くじゃないですか。
・工藤(公康)さんは、僕を育てるために敢えてサイン通りに投球し、打たれた後でなぜヒットにされたのかを懇々と説明してくれました。投手の勲章である防御率を捨てることを引き換えに、ピッチャーの心理とバッターの駆け引きを徹底的に教えてくれました。
・僕は一球たりとも根拠のないサインは出しません。例えば、1試合で、3、4人のピッチャーが登板し、150球から200球のを受けたとする。試合後、なぜあのサインを出したのかを一球ごとに説明できます。過去のことを聞かれても答えれられる自信はある。それぐらい意思を持ってサインを出しているんです」
・一番大事にしているのは、トレーニングを含めた試合に臨むための準備をいかに完璧にやれるかにかかっています。
身体作りはオフがすべてですね。筋肉を破壊するような強いトレーニングをしますよ。破壊すれば筋肉が生まれ変わる。その状態になると箸も持てなくなるし、ボールも握れなくなる。でも、破壊・再生を繰り返さないと筋肉は大きくならない。3月にはシーズンが始まってしまうので、たいだい5カ月間で徹底的にやります。それが開幕直前になると、パワーや動き、スイングと合致して結果として現れるんです。
若い選手から、どうしたらもっとうまくなれるかと聞かれることが増えてきましたけれど、「プロ野球選手は準備が一番だよ」と決まって言いますね。適切な準備を重ねていけば、絶対にうまくなりますって。ローマは一日にして成らず、です」
プロってすごいね。極めるってすごいね!(^◇^)