「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

INTERVIEW〜東野圭吾が明かす「創作の秘密」(週刊文春)

容疑者Xの献身 (文春文庫)

容疑者Xの献身 (文春文庫)

ここではおなじみの直木賞作家・東野圭吾氏。特に近年は相次いで映画化、ドラマ化されていてメガヒットとなっている。その人気の源泉は、創作の秘密にあったのだ!!!ということで週刊文春に掲載されていた。これは、ファンとして見逃せないぞ!ということでそのエッセンスを紹介しよう。


ヒットメーカーインタビュー 週刊文春 2008.12.18号
東野圭吾が明かす「創作の秘密」「容疑者Xの献身」流星の絆まで


「あんまり簡単に“集大成”とは言いたくないんだけれど『容疑者Xの献身』は、自分のスタイルの一つの代表的な形だという気はしています。
というのも、ここ十年くらいでしょうか、ある時期から、とにかく『シンプル』ということを目指しているんです。複雑なミステリーを書かれる方もいますが、自分の場合、大きな謎が一つシンプルにあって、その謎解きも、長い説明が必要なものではなく、ひとこと言えば一発でわかるような、シンプルなミステリーを目指してきました。そういった意味で、『容疑者X〜』には高い点数をつけてもいいと思っているんです」


「毎回そうするわけではないんですが、自分があたらに小説を構想しようとするときに、自分が感動したことについて考えるんです。『俺はなぜ感動したのかな』と。そうすると、どういうものを作り出せば人の心が動かせるのか、見えてくるでしょう。
たとえば、ドラマを観て感動したとします。同じようなことを別のドラマでもやっているのに、なぜそちらでは感動しなかったのだろう、と分析するんです。分析すれば、『なるほど』と思うことがある。その本質的な感動を生かしていくようにしています。だから何に感動するのか、何が面白いのか、きっちりと掘り下げなければなりません


「やっぱり突き詰めないと、出てこないんですよ。核と方針を決めて書き始めて、頭の中で人物が動き出していくわけですが、その向かって行く方向も、必死に考え続けなくてはいけません。物語をどういうふうに織りなすか、これを胃が痛くなるほど考えるわけです。小説という作業は、突き詰めることの延長上にあるわけです」


「僕の場合、閃きはほとんどありません。ドーンと何か閃いて、『よし、これで一本書ける』というような閃きは、五年に一回ぐらいしか生まれないのです。『容疑者X〜』のトリックにしても『聖女の救済』のトリックにしても、五年に一度の閃きだったと思います


「やっぱりどんな作品を書いても、過去のものと比較されて、期待通りの評価を得られないですから。本を買ってくれた人にとにかく楽しんでもらいたいので、努力はいつも100パーセントしているつもりです。それでも80点、60点しかもらえないということもある。でも、それはもうしょうがないし、100パーセントの努力を続けるしかないんです。
ただ、頭に浮かんだアイデアをなんとか小説にしてやろうと思ったら、それは必ずものにします。うまくいくかどうかは別にして、狙ったものは必ず小説にしています


閃きと厳密な思考、そして大胆な構成に彩られた「東野ワールド」は、いつも私たちをを楽しませてくれるね。(^^♪さあ、完全読破まであと二冊!