「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜感動のタリーズ起業物語!…『すべては一杯のコーヒーから』

すべては一杯のコーヒーから (新潮文庫)

すべては一杯のコーヒーから (新潮文庫)

コーヒーショップはどこが好き?私は、やっぱりスターバックスかな。禁煙だし。(^◇^)


スタバのライバルとして知られ、飲食業界最速で株式上場を達成タリーズコーヒージャパン業物語がこの本。創業社長である松田公太氏の自伝ともいうべき奮闘記。タリーズって数回しか行ったことがないなあ…。(^_^;)

いや〜すごい!松田氏の情熱とガッツと根性!人を動かすということはどういうことかなどが生々しい記述で語られている。ドラマ化しても面白そう。そのエッセンスを紹介しよう。


「夢」と「目標」は全く別物だと私は考えている。目標とは、具体的な計画に基づいて、自分の実生活の羅針盤として必要なもの。一方の夢とは、たとえ具現性が乏しくても、思い描くだけで心が満たされるものだと思う。


そもそも私にとってコーヒーとは、ファミレスや喫茶店という場所を借りるための「わき役」でしかなかった。また、どちらかといえば紅茶の方が好きで、コーヒーなど人生になくても困らない程度の存在だったのだ。それが、ボストンで初めて飲んだスペシャルティコーヒー・タリーズの芳ばしい香り、イヤな酸味がなくてコクがある。コーヒーを飲んで「何てうまいんだ!」と感じたのは、生まれて初めての経験だった。これはいける!タリーズを日本に持ってきたいと思った。


・私は店員に話をし、タリーズ本社のトム・オキーフ会長(当時)にビジネスの話があると依頼したのだ。…ひとことで電話を切られたのも仕方なかった…。それから日本にもどり、タリーズにメールを毎日送る日々が続いた。自己紹介から、タリーズが日本に進出した場合の自分なりのビジネスの方法論を展開したのだ。副社長から「参考になる意見をありがとう」という返事が来た程度で反応は良くなかった。それでも私は諦めずにせっせとメールを書き続けた。


・日本進出を狙い帝国ホテルに滞在中のトム・オキーフ会長にアポなしで突撃訪問し、タリーズの素晴らしい味を日本に伝えたい旨を話した。
日本の流通系の大手企業と話を進めていく予定だ、そうすれば一気に日本での展開も可能になる…という会長に、「それは間違いです!大手流通系だとしたら銀座や青山といった一等地に店舗は構えていないはず。最高級の豆を使っているのならブランドイメージが伴っていなければ日本での成功はありえない。スペシャルティコーヒーは格安コーヒーにはない付加価値を売るビジネスなんです」とトムの言葉をさえぎった。
「では君ならば、どこに第一号店をつくるというんだ?」 「銀座です!」と私は言いきった。(中略)その夜は結局、「これからも連絡を取り合おう」ということで別れた。


・副社長のアールジェイは、「公太、トムが随分と君のことを気に入っているみたいだよ」と私のことを売り込んでくれたようだった。そして97年1月契約を結ぶことができた。普通は契約金を払うのだが、当時の私はほとんど資金がなかった。そうした私の状況をトムに話したところ、契約金をゼロにしてくれたのだ。契約期間は一年。つまり一年のうちに実績を残すことが求められた。
初めてタリーズの味を知ってから九ヶ月。いよいよ私の夢に向けてのスタートである。しかし、資金集め、出店地探しなど実際はこれからが大変だった。


一号店をつくるために生まれて初めて七千万円もの大金を借りた。私は借用書に印鑑を押す前に、自宅近くのコンビニエンスストアを回った。そしてアルバイトの時給を調べ、一日15時間働けば、30年程度で借金の返済ができることを確認した。別に失敗したからといって、命まで取られるわけではない。人生は一度きり。やらずに後悔するより、やれるところまでやって失敗を受け入れる方が納得できるではないか。


・能力がある人と情熱がある人、どちらあを採用するかと問われれば、私は迷わず「情熱がある人」と答える。タリーズのような飲食業では、情熱さえ持ち合わせていれば、人は必ず成長できると信じている。
飲食業では、商品と同じくらいにコミュニケーション能力が重要だと思う。どんなに能力が高くても、人が好きでなければ務まらない仕事なのだ。


タリーズコーヒージャパン 経営理念
一杯のコーヒーを通じて、「お客様」、「フェロー(従業員)」、「社会」、そして「株主」に新しい価値を創造し、共に成長する。

一、その一杯に心を込める
一、お客様の期待を超越する
一、最高の仕事が経験できて、一人一人の可能性が広がる職場を作る
一、子供達や青少年の成長を促すために、地域社会に貢献する
一、株主との信頼関係を築きあげる


そのほか、オープン三か月の赤字をどう切り抜けたのか、どうやって売上をあげたらいいのか、どうやってリピーターを増やしたらいいのか、店に泊まり込んで1日20時間働いた日々、アルバイトの育て方、なども目が離せない!読むべし!


タリーズコーヒージャパン
http://www.tullys.co.jp/