「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜『日本野球25人 私のベストゲーム』(ナンバー編)

日本野球25人私のベストゲーム (25th Anniversary Sports Graphic Number 創刊25周年記念出版)

日本野球25人私のベストゲーム (25th Anniversary Sports Graphic Number 創刊25周年記念出版)

札幌に来ています。寒いっ!(゜o゜) マイナス5度っていってたなあ…。小雪がちらほら。日本は広いなあ…。(^^♪


さて、今年も野球が終わったね…、淋しいなあ。(・。・) 我がジャイアンは惜しくも日本一を逃したけど、埼玉西武との戦いはさすが日本シリーズだけあって7試合とも名勝負だった。レギュラーシーズンでも、13ゲーム差をひっくり返したりしてエキサイティングな試合が多かったね。


さて、この本は25人の名選手が語るベストゲームをまとめたもの。どれもオモシロイんだけど私の中のベストを紹介しよう。(^◇^)これだっ!!!(ベストハウス123ふうに)


イチロー 「あの雨が僕の運命を変えた」  1991年7月29日 全国高校野球選手権 愛知大会準々決勝  愛工大名電 VS 中京


「ベストゲームねえ。そんなの、存在しない(笑)。まず、今の僕にはベストゲームという概念がないから。どのゲームだってベストになり得ません。だって必ず何かが欠けてしまいますから。もちろん、常にベストにしたいと思っていますよ。でも、そうはならない。野球って、そういうゲームだと思いますね」


「だから僕にとってのベストゲームだとは言えないんですけど、印象に強く残っているゲームがあるんです。それは高校3年の夏、愛知県大会でベスト8まで勝ち進んで、そこで中京と当たったんですけど、あのゲームですね。あの試合は僕にとってはとんでもなく意味の深いゲームでしたから、すごく印象に残っています


その年の夏、センバツに出場していた名電は、4番鈴木一朗を中心とした強力打線で5回戦までをほとんどコールドゲームで勝ち上がってきた。一方、名門・中京も大会ナンバーワン右腕の木村高司を擁して、準々決勝までの5試合をすべて完封勝ち。夏春夏の3季連続甲子園出場をめざしていた愛工大名電にとって、中京は避けて通れない強敵だった。


木村の好投で中京が2−0とリードした表、愛工大名電は1点を返し、なおもランナー一塁で、これまで打率.722を誇っていた、4番の鈴木一朗。1−1からの3球目にライトへ高々と舞い上がるツーランホームランで3−2と逆転に成功した。


正直にいえば、あの夏、僕の目標は甲子園に出ることじゃなかった。高校に入る前から、プロになることを第一に考えていましたし、モチベーションが他の選手とはまったく違っていたと思います。みんなは力を合わせて甲子園に向かっていけるでしょう。でも僕は一人でプロという強大な世界に向かわなければならない。そんなこと半端な気持ちじゃできないんですよ。だから一つでも多く勝って、自分のプレーをスカウトの人に見せたかった。準々決勝で終わるわけにはいかなかったんです。僕がスカウトにも覚えてもらうようになったのは、あの逆転ホームランからだったと思います」


1991年夏の愛知県大会での鈴木一朗の記録は28打数18安打、打率.643 ホームラン3本。このバッターをプロが見逃すはずもなかった。


「実はもう一試合、雨でノーゲームのなってしまった中京との試合がある。途中まで中京が勝っていた…(中略)あの雨がなければ、ひょっとしたら僕はプロに行けなかったかもしれない。だから、僕にとっては大きなゲームだったんです。だって、あそこで僕の野球、終わっていたのかもしれないんですからね。もし僕が野球をやっていなかったらとしたら何もない。うーん、何が残りますかね…ホント、何もないよね。

そうやって考えると、あの雨が僕の運命を変えたのかもしれません。どちらかといえば僕、運命って信じる方だし、(運命の神様にも)僕を選んで、といつも思っていますけど。


僕が出ていた愛知県大会のテレビ中継を当時の中日の山崎武司(高校の先輩)がウチの中村(豪)監督にこう言ったらしいんですよ。「落合(博満)さんが、アイツはすごいって言ってましたよ」って…。本当かどうかは知りませんけど、これにはアツくなりましたねぇ。すごく励みになりました。それを思うと、もし僕の今の立場で高校生に声をかけてあげられたら、それはものすごい力になるかもしれないと思うんです。だから、17歳の僕にも、こう言ってあげますよ。お前、打つことはすごいなって(笑)」

スーパースター、イチローの原点がここにあるのか…。というと感慨深い。そして彼以外の選手は、即座に「あの試合ですね」と答えるのに、「ベストゲームなど存在しない」と言い切る彼はスゴイ!


その他、長嶋茂雄王貞治野村克也星野仙一清原和博掛布雅之原辰徳ランディ・バース、ラルフ・ブライアント、秋山幸二落合博満新庄剛志古田敦也松井秀喜野茂英雄山田久志江川卓斎藤雅樹阿波野秀幸桑田真澄佐々木主浩工藤公康松坂大輔江夏豊…などなど。偉大なる野球人たちが熱く語るベストゲーム。野球ファンなら読むべし!(^◇^)