「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「弱くても勝てます 開成高校野球部のセオリー」(高橋秀実)


野球が好きだ。野球のハナシなら24時間飯も食わずに出来る自信がある、くらい大好きなのだ。(・∀・)


さて、異色の野球本を紹介しましょう。「平成17年夏、東大合格者数日本一で有名な開成高校の野球部が甲子園大会東東京予選ベスト16に勝ち進んだ。グラウンド練習は週一日、トンネルでも空振りでもかまわない、勝負にこだわりドサクサに紛れて勝つ……。監督の独創的なセオリーと、下手を自覚しながら生真面目に野球に取り組む選手たちの日々。思わず爆笑、読んで納得の傑作ノンフィクション!」そのエッセンスを紹介しよう。


開成高等学校は、毎年200人近くが東京大学に合格するという日本一の進学校である。受験シーズンになると毎年注目を浴びるのだが、スポーツの世界ではその名を聞くことはほとんどない。ところが平成17年の全国高等学校野球選手権大会の東東京予選で、同校の硬式野球部がベスト16にまで勝ち進んだ。なんで開成が?私は驚いた。開成高校にはグラウンドがひとつしかない。他の部活との兼ね合いで、硬式野球部が練習できるのは週一回。それも3時間ほどの練習で彼らはベスト16入りを果たしたのだ。


・練習を眺めていてふと気がついた。下手なのである。それも異常に。ゴロが来るとそのまま股の間を抜けていく。フライを後逸する。キャッチボールでもエラーする。「僕は球を投げるのは得意なんですか、捕るのが下手なんです」「苦手なんですね」「いや、苦手じゃなくて下手なんです」「どういうこと?」「苦手と下手は違うんです。苦手は自分でそう思っているということで、下手は客観的に見てそうだということ。僕の場合は苦手ではないけど下手なんです」


・青木監督「普通の高校が強豪校に勝つには、一般的なセオリーは通用しません。例えば打順です。一般的には1番に足の速い選手、2番はバントなど小技ができる選手、そして3番4番5番に強打者を並べます。要するに、1番に出塁させて確実に点を取るというセオリーですが、ウチには通用しません。そこで確実に1点取っても、その裏の攻撃で10点取られてしまうからです。つまり、このセオリーには『相手の攻撃を抑えられる守備力がある』という前提が隠されているんです。ですから『10点取られる』という前提で一気に15点取る打順を考えなければいけないんです」


・「1番から強い打球を打てる可能性のある選手です。2番に最も打てる強打者を置いて、3番4番5番6番までそこそこ打てる選手を並べる。こうするとかなり圧迫感がありますから。勢いにまかせて大量点を取るイニングをつくる。激しいパンチを食わせてドサクサに紛れて勝っちゃうんです。いうなればハイリスク・ハイリターンのギャンブルなんです」


・「守備というのは案外、差が出ないんですよ。すごく練習して上手くなってもエラーすることはあります。逆に、下手でも地道に処理できることもある。1試合で各ポジションの選手が処理する打球は大体3〜8個。そのうち強烈な守備成果が生かされるような難しい打球は1つあるかないかです。我々はそのために少ない練習時間を割くわけにはいかないんです」

もしかしたら、開成が甲子園に出場するのも遠くない現実かも!?オススメです。(・∀・)