「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜『奇跡の采配術 箕島・尾藤公の人間力野球』(松下茂典)

もうすぐ夏の高校野球が始まるよね。(^。^)高校野球ファンなら一度は聞いたことのある名物監督が和歌山・箕島高校尾藤公(ただし)監督。昨年68歳で亡くなっ
た。

尾藤氏は監督として、春のセンバツ優勝三回、夏の全国制覇一回。1979年には、公立高校として、初の春夏連覇を成し遂げ、箕島の名声をいやがうえにも高めた。特筆に値するのは、甲子園で経験した延長戦・5試合すべてで劇的なサヨナラ勝ちを収めていた。絶体絶命の場面から同点に追いつき、相手にアドバンテージを与えながら、そこから強烈な二枚腰を発揮し、鮮やかにうっちゃっていることである。しかも。5試合中4試合が「4対3」というスコアであった。


なぜ尾藤氏だけが甲子園でくり返し「奇跡」を起こせたのか。生前の取材メモを整理し、関係者に新たなインタビューを試み、延長戦5試合を検証し直すにつれ、真実が浮かび上がってきた。それは、「奇跡が奇跡を生む」ということである。言葉を変えれば「奇跡の連鎖」である。そのエッセンスを紹介しよう。


「三振した選手に、本音で『ええ振りやった』と話しかけ、エラーした子供に、『前進して捕りにいったんやからええやないか』と、本心から声をかけられるようになり、笑顔がスムーズに出るようになりました。これが『尾藤スマイル』の始まりです」


・「監督は感情に走って憤りをぶつけてはいけない。興奮して『怒る』ことと、冷静に『叱る』ことは違うんだ」


技術は、あくまで二の次。箕島野球のモットーは、一に勉強、二に礼儀、三に節約なんです。


高校野球の監督は、選手と一緒に涙を流せる人間じゃないと務まらない選手は将棋の駒ではなく、血の通った人間だ


ライトにしかヒットを打てず、公式戦はおろか練習試合でも一本も本塁打を打ったことがない子が延長戦16回裏二死走者なしという追いつめられた場面で、甲子園の左中間最深部へ同点本塁打を打つなんて。でも、これが高校野球なんですね。


・甲子園大会で春夏連覇を成し遂げたチームは、年代順にあげると、1962年作新学院、1966年中京高(現・中京大中京)、1979年箕島、1987年PL学園、1998年横浜、2010年興南と6校あるが、公立高校は箕島1校だけである。私立高校のように、全国から有望選手を集められないため、地域の特性を生かしたチーム作りをするしかなかった。それは、とどのつまり、選手の個性を100%開花させる野球、「のびのび野球」である。


うちのベンチにはいろんな食べ物がありました。ミルクキャラメル、レモンスライス、サンドイッチ。いつでもピクニックに出かけられるくらいでしたよ


「『一期一会一球』。人の出逢いも、野球のプレーも、一瞬、一瞬が勝負という意味です」


・尾藤さんの人柄、人間力が甲子園で「奇跡」を起こしたのである。1970年に箕島が初優勝を飾ったときのエース兼四番打者、島本講平氏は、そのことをしきりに強調した。「尾藤さんがいたから、甲子園の土を踏めた。尾藤さんがいたから。決勝まで進めた。尾藤さんがいたから、奇跡が起きたです…」


中でも「江川博と尾藤公のエピソードは泣ける…。(T_T) 野球も人間力かあ!やっぱり野球っていいなあ!オススメです。(^。^)