- 作者: 荒俣宏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/07/13
- メディア: 単行本
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日本の博物学者、小説家、収集家、神秘学者、妖怪評論家、翻訳家、タレントなど様々な顔を持ち、現代の南方熊楠ともいわれる荒俣宏氏。(^v^)
「この世の中は、わからないことだらけだけど、だからおもしろい。なんでもおもしろがれるコツは、好奇心。だから、教科書とはぜんぜんちがう。覚えるのではなく、なぜ? どうして?と疑問がわき、そーか! そうなのか! とわかってビックリする事典をめざします」といういわば雑学事典だよね。
アインシュタイン、贋作師、吸血鬼、恐竜、昆虫食、スペースシャトル、自動車、ダ・ヴィンチ、コンドル、ナスカの地上絵、マンガ、ラーメン…アラマタ博士が見つけたヘンなモノ、ヘンなヒト、ヘンなコトが303個集められている。 へえ〜!!!の連続。みんな面白いんだけど、その中で興味を持った一部を紹介しよう。(^◇^)
・学ラン
つめえりの学生服のことを「学ラン」という。この「ラン」とは一体何だろう?実は江戸時代の言葉で洋服のことなのだ。鎖国の当時、西洋といえばオランダ=阿蘭陀。西洋の学問はすべてオランダ語で学んだので「蘭学」、西洋人が着る服は「蘭服」と呼ばれていた。そう「学ラン」というのは、「学生用蘭服」を縮めた呼び方なのだ。
・河童の正体
河童は想像上の生物ではなく、モデルとなる生物がいるのでは、と昔から言われている可能性が高いのが「ニホンカワウソ」。昔は日本全国に住んでいた。ひょこっと後ろ足で立ったりするので、夕方などのうすぐらい時に川の近くでカワウソを見た人は驚いただろう。また、川で遊んで足がつったり、おぼれた人を見て、少しずつ河童という妖怪が作られた可能性が高い。
・カルタ
カルタ(carta)という言葉はもともとポルトガル語で、英語のカード(card)と同じ意味。天正年間(1573-1592)にポルトガルの船乗りから伝わり鎖国をしていた江戸時代に日本独特の進化をとげた。
・消える魔球
野球で「フォークボールは変化球ではない」、「ストレートボールこそ変化球だ」と言ったら驚くだろう。しかしどんなものでも投げれば重力の影響でいつかは落ちる。ストレートは、ボールに浮き上がる力が働くように投げるから落ちないのだ。
・利き手
サルには右利き、左利きというのかたよりはない。どうして右利きが多いのか。石器の研究によると200万年前の人類の祖先は59%が右利きだったという。しかし5000年くらい前になると、すでに90%以上の人類は右利きだった。これは洞窟に残された絵や土器などから分かった。右利きが多くなったのは、脳と言葉の発達とに関係があるらしい。脳の進化とともに言葉も発達し、それにつれて道具作りなども、左脳がコントロールする右手を使って行うようになって右利きが増えていったのだ。
・コイ
昔から「鶴は千年、亀は万年」といわれる。実際には鶴は40年、亀は150年くらい生きられるようだ。しかし飼育されているコイは、かつて岐阜県の東白川村で飼われていた「花子」というコイは226歳だったといわれ、ギネスブック(1983年)にも載っている。また、150歳以上になるコイが6匹見つかったというから長生き動物ナンバーワンの座は揺るがない。これまでの記録では琵琶湖でとらえられた体長153センチ、体重45キロのマゴイが最大。小学6年生と同じくらいの大きさだ。
・トランプ
このゲームをトランプと呼ぶのは日本だけ。明治時代に外国人が「トランプ」と叫ぶのを聞いて勘違いしたといわれている。「トランプ」とは「切り札」の意味だったのだ。ちなみに日本で売られているトランプのキングの目はいくつ描かれているのか?正解は14。キングのうち、ダイヤ以外は正面を向き、ダイヤだけが横を向いているのだ。(^v^)
・女房詞(にょうぼうことば)
「房」には部屋という意味があり、女房とは、もともと平安時代に宮中や貴族に仕える女性の役職名だった。そして宮中や貴族の館に仕える、身分が高く、しかも高い教養を身につけている女性のことを女房とよぶようになった。紫式部も清少納言も女房だった。上流階級の女性にとって話し方には品がなくてはならないと考えられ、独特の女房詞が生まれた。たとえば、「おなら」とは「鳴らす」からきている。
「屁」といったのでは、あまりに直接的で品がない。そこで「お」をつけて、「おなら」といえば、品が加わるとされ、女房以外の人にはなんのことか、さっぱりわからなかった。
・ニュートン
アイザック・ニュートンは「万有引力の法則」を発見したイギリスの天才科学者だ。生涯独身だったニュートンは大のネコ好きだった。ネコが研究室のドアに花をすり寄せて、ドアを開けるよう催促するたびに、ニュートンはドアを開けてやっていた。しかしネコのためにいちいちドアを開けていたのでは、研究が中断されてしまう。そこで研究室のドアの下に穴をあけ、フエルトをのれんのようにつり下げてネコがくぐれるようにした。これが「ネコドア」の始まり。だから「ネコドア」の発明者はニュートンなのだ。
・ライオン
東京の三越デパートの玄関前には、青銅製のライオン像がある。なぜかというと1898年に三越の支配人になった日比翁助は大のライオン好きだった。なにしろ自分の子供に「雷音(ライオン)」と名づけたほどだから筋金入りだ。1906年大きな呉服店だった三越をデパートに変身させるため、翁助はイギリスに視察の旅に出た。その時ロンドン名物のトラファルガー広場にネルソン提督の銅像を囲んで座っているライオン像だったのだ。海軍が大好きな翁助にとって、あこがれのネルソン提督を囲むライオン像を新しく作るデパートの象徴にしようと思ったのだ。
面白いなあ。いいなあ、飲み屋で使えるなあ。私も雑学博士になりたいな!(^◇^)
荒俣宏ブログ オークション博物館
http://blogs.yahoo.co.jp/aramata_hiroshi/