「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜稀代の語り部の生涯…『淀川長治の映画人生』

淀川長治の映画人生 (中公新書ラクレ)

淀川長治の映画人生 (中公新書ラクレ)

子供の頃、好きだったのが、日曜洋画劇場「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」の名解説でお馴染みの淀川長治氏。早いもので亡くなって今年で10年だって。(・。・)ということは生誕100年になるんだね。


私は、フツーの人が映画を観る時間を音楽を聴いたり演奏することに費やしていたから、お恥ずかしい話、大人になるまで映画は数えるほどしか見たことがないんだよね…。40歳になってから意識的に観るようになって映画の良さが少し分かってきたけど、それでも年十数本くらいだからね。


89年の生涯で3万3000本を超える映画を観、映画と結婚したため(?)一生独身で過ごし、明治・大正・昭和・平成と生涯現役を貫いた映画の伝道師の愛と死を、晩年30年を伴走した著者が語り尽くす一冊。

淀川流の映画の見方・味わい方から、往年の名画エピソードまでたっぷり満載されているんだけど、それは本書を読んでいただくとして、ここでは氏の名言集を紹介しよう。


淀川長治の三つのスローガン
1 苦労よ来い。苦労よ来い(ウエルカム・トラブル)。苦労大歓迎。
2 他人歓迎(ウエルカム・ストレンジャー)。
3 わたしは、いまだかつて嫌いな人に会ったことがない。(I Never Met a Man,I Didn`t Like)



・「ちょいと、あんた。昔の映画もいいけど映画は生きものだよ。いまの感覚を勉強しないでどうするの。劇場へ行きなさい」(「ビデオを借りて家で見ているといった時」)


「映画を愛することのできる人は、本当に人を愛することができるんです。映画は人生の教科書。人間勉強の場なんです。」


・「ちょっとキザだけど、映画からもらったものは愛でした。愛がなかったら人間じゃありませんね。愛がなかったら平和に生きられませんね。どの映画にも絶対にあるのが愛ですね。その中でいちばんすごいのがチャップリンだ。チャップリンの映画は、わたしに愛すること、食べること、働くこと、夢見ることを教えてくれました。」


・「何本観ようと勝手だけど本数なんかなんの自慢にもなりませんよ。そんなことよりも、いい映画を選んで何回も何回も観ることの方がもっと大切なんです。いい映画は何回見ても絶対に飽きません。勉強になることがいっぱい詰まっています。」


・「あんたに会いたかったのね。私はもうすぐ死ぬからあんたに会いたかった。あんたは会いたくないでしょうけど…。あんたの映画感覚、どの映画観ても男の孤独だ。それを孤独らしく言わないで、笑って笑っておつくりになるところがすごいよ。黒澤さんを除いたら日本でベストワンの監督だ。」(ビートたけしを前にして


「わたしは、ひとりでいることが寂しいどころか大好きで苦にならないのね、だから、わたしは孤独ではありません。」


・「わたしは感激マニアなのね。一日一回感激しないと死にたくなるんです。みなさんも感激する心を身につけて欲しいなあ。感激する心の贅沢を持ってほ欲しい。美しいものに感動しない人は心の貧しい人だ。」


「一日一回は笑うこと。わたしは笑いがないと気が済まないタチなんです。」


・「一日一善どころか一日十善できたらどんなに楽しく生きられるでしょう。人間は生まれながらにして、いいことができる天才なんです。それを面倒くさがってやらない人は最低の人間。うれしく思える人は及第点だ。」



「今日という日は一生にいっぺんしかありません。かけがえのない日。お正月みたいな日。最初で最後の日。だからいい加減に過ごすわけにはいきません。」


・「人間というものは、生まれながらにしてその人の寿命があると思っているの。オギャーと生まれた時から神様によって寿命が決められているんだ。だから、仮にいまわたしが死にたいと思っても死ねません。ところが、寿命がくれば、いくら逃げてもダメです。人によって早い遅いはあるけれど、いずれは死んでいく。そう考えたら死を恐れることはないんだ。ですから、わたしはお葬式とかお通夜に出席したときも悲しいと思ったことはない。めそめそ泣いたりしません。」


「もっと映画を観なさい」(淀川氏の最期の言葉)


映画は人間が生んだ大いなる発明のひとつ。何十億円もかけた映画がたった1,800円足らずで見られるなんて感謝!淀川氏のおススメ映画を少しずつ観てみようっと!