急ぎの仕事は忙しいヤツに頼め―ソニー元副社長・大曽根幸三の成功金言53 (角川SSC新書)
- 作者: 石田修大
- 出版社/メーカー: 角川SSコミュニケーションズ
- 発売日: 2008/03
- メディア: 新書
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開発畑一筋でメディアに登場する機会は稀だったが、彼が開発現場で発した厳しくもユーモアに溢れた数々の名言は、部下たちによって伝承されていった。「井深大はソニーの行くべき方向を示し、大曽根幸三は現場でその方法を示した」と言われている。
この本は、1対1で、あるいは会議の場で大曽根氏から浴びせられた言葉を、部下が書き留めたものが大曽根語録であり、ソニー製品を作り上げた技術者の肉声の記録と言い換えてもいい。一部が週刊誌や単行本で紹介されたことはあるが、これまで全体像が公にされたことはなかった。ものづくりが難しい局面にさしかかっている現代だからこそ、大曽根の言葉を反芻してみるべきではないか。リーダーの意志判断の語録集として本書は管理職の方々に推薦したい。そのエッセンスを紹介しよう。
・「失敗は闇から闇へ葬れ」
〜ソニーは失敗の積み重ねで次々と新製品を作り上げてきた。しかし失敗を叱責されることで、せっかくのやる気を委縮させてしまっては元も子もない。そんな場合は、失敗は闇から闇へ葬って、次の手を考えるに越したことはない。
・「新しいアイデアは上司に内緒で作れ」
〜残念ながら、どんな組織でもダメな上司はいるもの。そんな上司がダメなら、他のセクションや、もっと上の上司の中にアイデアを評価してくれる人を探せばいい。いちいち上司の許可を得る必要はない。暇な時に形をこしらえてみて、見せてやりゃいい。それでもダメだというのなら、俺のところに持ってこい。あいつがやらないというなら、俺がやってやる。
・「能力の差は根性の差である」
〜最後まで諦めずに目標を達成できるかどうか。何が何でもやり遂げるという根性が、本人の能力を高めるのだ。懸命の努力の末に成果をあげたという体験を積めば、それが本人の自信になり、能力アップにつながる。仕事が人を育て、人が仕事を拓くのである。
・「コンピュータはできないことを理論的に証明するだけだ」
〜井深会長がよく言っていた。「創造は人類に残された唯一の特権である」と。コンピュータに頼って創造性を失ったら、人間はおしまいである。
・「市場は調査するものではなく、創造するもの」
〜歩きながら聴けるウォークマンの本格的生産に乗り出すとき、社内から相当な反対意見が出てきた。録音、再生ができてこそのテープレコーダー、録音ができなくては買う人がいるわけがない、というのだ。ご丁寧に市場調査会社に何百万も払って調査を依頼した。
冗談じゃない、ウォークマンはまだできていない、この世にないものだ。まだ存在しないものをいったいどうやあって調査したというのか。こんなものがあったらいいな、こんなことができたら便利だのだがという夢から 始まり、それを商品化して、新しい市場を創り上げる。そんな夢を自分の力で実現できるのが技術屋である。
・「石の上、3年たてば次の石」
・「遊び心なき集団から独創的ヒット作は生まれない」
・「お客の欲しいものではなく、ためになるものを作れ」
・「プロは乾いたタオルからでも水を絞る」
・「大きさとコストは半分に、利益は倍に、がソニーの鉄則だ」
・「市場は成熟しても商品は成熟していない」
・「急ぎの仕事は忙しいヤツに頼め」
・「部下は上司の思うとおりには育たず、上司のやるように育つ」
・「無理をしてでも良循環に入れ」
・「枝は切っても幹は切るな」
こういう名言集って好きなんだよね〜!どれも「想像の外側」だから響くでしょ!それぞれの現場で使えるよね。(^◇^)