「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜カリスマの仕事力!…『スティーブ・ジョブズ vs ビル・ゲイツ

スティーブ・ジョブズvsビル・ゲイツ (PHPビジネス新書)

スティーブ・ジョブズvsビル・ゲイツ (PHPビジネス新書)

この四半世紀において、世界で最も優れた二大経営者は同い年のこの二人だろう。(^^♪

MaciPodiphone、そしてiPad……世の中を驚かせ続けるカリスマ経営者、アップル創業者スティーブ・ジョブズ。ウィンドウズを中心に、ワード、エクセルなどでソフトウエア業界を席巻、マイクロソフト「帝国」を作り上げたビル・ゲイツジョブズは自分が欲しいものを作り、ゲイツは売れるものをつくった」といわれる二人。


本書は、そんな最強CEOである彼らを、12の能力から読み解き、比較するもの。その壮絶なる仕事ぶりから経営者としての判断力、部下や外部とのコミュニケーション能力、そしてライバル撃退力までエピソード満載で説く。最強の経営者は果たしてどっちだ!?


ジョブズゲイツはある意味対照的である。同じ1955年生まれ。ジョブズは、私生児として誕生しブルーカラーの養父母に育てられ、学校では優等生とは程遠い問題児だった。一方のゲイツは弁護士を父に持つ有風な家庭で育ち、有名な私立高校を経てハーバードに進学している。


ゲイツは現実主義者だ。製品の完成度より商機を重視する。競争心が極めて強いゲイツは勝つことにこだわり、先行する企業を分析し、コピーして改良し、ライバルを駆逐するという二番手商法で経営の安定化を図ってきた。対するジョブズは完璧主義者だ。他者のモノマネのような中途半端な製品ではなく、世界を驚かせるすごいものを生み出すことに人生を賭け、新たな市場を切り開くことに喜びを感じてきた。しかし、独創的な製品にこだわるあまり、大成功もするが大失敗もしでかす。


ゲイツはとても短気な性格だが、ビジネスのプロセスでは地道な努力を続けるこをいとわない堅実な経営者でもある。ジョブズ「現実歪曲空間」を作り出して、不可能と思えることでも可能だとまわりに信じ込ませるスタイルだ。ジョブズがMacプロジェクトを率いた時も「サイズが収まらない」「プログラムが走らない」と現場は問題の連続だった。だが、「これ以上は無理だ」とヘトヘトになった部下に、ジョブズは「君ならできる」という殺し文句をささやく。実際、リーダーが、「できるんだ」という自信を持たなければ、どうして現場の技術者が困難に立ち向かえるだろうか。現場が本当にできるかどうか悩んでいる時こそ、リーダーが「できる」と言い続けることがなにより大切だ。


ゲイツジョブズもワンマンで勝気で、協調性はゼロだ。懐が深く寛容の精神を持った人格者でもない。だが、単なるワガママでもない。限界に挑戦することに意義を感じ、チームを引っ張っていく類まれなマネジメント能力を携えたワガママものだ


ゲイツはどんなにお金が入ってきても、贅沢な暮しに溺れることはなかったマイクロソフトを興した時でも、世界一の資産家になった後でもゲイツは倹約家でり続けた。ゲイツが世界一の金持ちになったのは、一度だけでなく何年も連続してのことだ。それができたのは、ゲイツが成功したからといって慢心しなかったためだ。この類まれなる特質こそが、ゲイツが13年連続して世界一の大金持ちとなりえた最大の理由だ。


ビル・ゲイツは人格者だろうか。学生時代は、頭がいいことをひけらかし、まわりと協調性のない問題児だった。マイクロソフトを立ち上げてからも部下を怒鳴りつけたり、手柄を横取りしたりと、人格者とは程遠いのがゲイツの素顔だ。商機を逃さないために、開発納期が迫ってくると、現場の苦労も無視して容赦なくプレッシャーをかける非常の経営者でもなる。対するジョブズだが、その激しい気性は今や有名になりすぎた。意見はころころ変わり、きまぐれだが妥協を許さない。まわりと衝突することを恐れるどころか、好んで軋轢を生んでいく。部下の手柄を取り上げるのはゲイツ以上かもしれないし、現場に出向いては殺傷能力満点の言葉を振り回し、恐怖と混乱を残して立ち去っていく。ゲイツジョブズもはっきり言って親友は少ない。人間性」で評価したら、両者ともにどこの会社も採用しない最低レベルで、引き分けとしか判定できない。だが、丸い人間性では世界の激烈なビジネスシーンで勝ち残ることなどできない、ということもまた事実である。



ゲイツジョブズも自身のハードワークは当たり前。さらに。部下にもそれを求める厳しい経営者だ。ゲイツが部下に求めるハードワークは、短時間で一点集中すればいいというようなものではない。陸上の100メートル走の瞬発力で。42キロを走破しろというようなものだ。ゲイツの場合、社長は口どころか、自分が先頭に立ち全力で42キロ走ってみせるゲイツ長時間労働を当然のことだと考えており、休暇を取るのは弱さの象徴だとみなしていた


・アップルのエンジニアは時間で給料をもらうのではなく、給料のために働いているのでもなかった。「世間を驚かせるすごいものを作りたい」という夢のために働いていたのだ。お金で働いてるうちは本当の仕事ではない。中世ヨーロッパの天才芸術家ミケランジェロは、「なんとしても金持ちになりたい」という欲望を捨てない限り、芸術家としては一生成功には出会えないと言っている。お金のために絵を描いているうちは本物の芸術家にはなれにあうということだ。芸術家にとって、お金は生活するための手段であって、目的は絵を描くことだ。


ジョブズ 「人生の時間には限りがある。だから、他人の人生を生きてはいけない」


・さて、ジョブズゲイツ、どちらと一緒に働きたいだろう。共にハードワークを要求することは天下一品で、人使いの荒さでは引けをとらない。仕事に手を抜かず、人生を賭けて打ち込む姿勢は甲乙つけがたく、「仕事への取組み力」の評価は両者引き分けである。


・レオナルド・ダ・ビンチのように、常に新たなものを生み出し続ける創造型のジョブズと、創業以来一度も赤字を出さずに成長を30年以上続けてきた安定経営型のゲイツはまったくもって対象的だ。


やっぱりカリスマ創業者というのは、普通とは違うバイタリティを持っているよね。ウチ(SA)の桑原正守しかり。勇気づけられる一冊!おススメです。(^^♪