「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「ゾマホンのほん」(ゾマホン・ルフィン)

   


ゾマホンのほん


ウチ(SA)のオーナーでもあり親友である桑原正守が世界一周の旅から114日ぶりに戻ってきました。(^_-)-☆今日は帰国報告会があったんだけど、世界は広いよね〜!(^◇^)


さて、以前TVで放映されていた、「ここがヘンだよ、日本人」の人気者、ベナン共和国ゾマホンさんが、日本人への怒りを語りつくし、ベナンの少年時代からテレビデビューまでの数奇な生涯をふりかえる待望の一冊。改めて日本に生まれてよかったと感じる。そのツボとコツを紹介しよう。


私の夢は学校をつくること。それの実現のために私はこの本を出します。この本で得たお金はすべてが学校をつくるためのものになります。この学校は日本とベナンの友好を深めるためにたてられます。そしてやがてはベナン初等教育の普及のために地方に学校をつくっていきたいベナンの人々に愛の手をさしのべるために。ベナンと日本の架け橋となるために。


・大昔から今まで、たとえどういう理由があってもベナン人は武器といわれるものをつくってはいないベナン人は、つくる前に話し合います。我々はどうして、こういうものをつくるのですか。もしこれをつくったら相手の人が、どんなことになりますかと、いつも話し合いでやってきましたね。ですからアフリカの黒人文化は、今まで武器をつくったことはありません


ベナンでは夜になると、村のお年寄りが村の子供たちに生活様式やいろいろな伝統や知恵を話して教えたの。そりゃ楽しかったよ。青い月の光の中で私たちは、遠い祖先の話を聞くわけ。昔話とか、神話とかも。ベナンでは、お年寄りが亡くなることは、図書館が一つなくなるようなことだと、昔からいわれているよ。


私たちは離婚という言葉を知りませんでした。なぜ結婚しておいてまた離婚するのか。ぜんぜん理解できない。離婚という現象は、西洋から来たことです。


ベナンのお母さんたちは、毎日仕事をする。朝から晩まで。毎日仕事をして、疲れたら木の下でちゃんと座って食べて、休んで、それから仕事がはじまるね。農業に休みの日はありません。だから母は、日曜日と土曜日と月曜日の違いが、どうもわかっていない。ずっと働き続けてきたから。でも一回も苦しいと言ったことを聞いたことはありません。だからできればもお母さんを休ませてあげたい。母は今、60代の真ん中ごろ。毎日ではありませんが、今も働いています。生活費をあげるから、もう、少し休んでくださいと私がお願いしても、お金を絶対に受け取ろうとしません


・子供のころ、ごはんを食べたら、大きな鍋を頭に乗せて、川まで行って水をくんでくるのが私の朝の日課歩いて一時間くらいかな。たくさんの人が水をくむために順番を待って並んでいます。早く水をくみたい人は、二時か三時のまだ暗いうちに起きて川にやってくるの。この水は、家族にとってすごく大事。その日一日分の水。食事にも選択にも、シャワーにも使います。


・世界でいちばん苦しい人々は黒人だよ。偏見と差別を受けるし。けれども自殺はしない。それは文化の影響。我慢する。今は苦しいけれども将来は必ず良くなると思って頑張っていたわけ。「死ぬ」という言葉はあるけれども「自殺」という言葉はないよ。それが黒人の歴史です。


・父は地方公務員だったから、エリートではないけれども、ふつうのベナン人よりもお金は持っていた。だけれども、子供に絶対にお金をあげなかったよベナンの子供たちは、自分で働けるような小学校の三年生くらいになれば、自分で働くように親に言われる。決して甘やかさなかったね。だから学費はみんな自分で稼いだよ。そういうもの。


・現在、ベナン公用語はフランス語で、識字率は37%しかない。教育が進んでいないのでほとんどの人がフランス語が分かりません。私の母なんて。学校に通ったことがないから、自動的にフランス語も出来ない。エリートたちがラジオやテレビで話しているのはフランス語ですから何を話しているのかすらわからない。エリートたちは国民とコミュニケーションができないということ。


ベナンの貧乏というのは餓えることではない。問題なのは食べてみるものの質。水はある。でも、その水はきれいな水ではない、川の水。小さいとき、一度だけ病気になりました。あなたがたが飲んでいる水は水道でしょう。私は川の水を飲んで病気になった。虫みたいのが体から出るんです。私は学校に通っていたから石鹸で手を洗うことを知っています。でも、その石鹸を買うお金がなかったりする。井戸が必要なんです。


なんかひと昔前の日本みたい。純粋で正直で実直で。忘れていたものを思い出させてくれる、そんな本です。おススメ!


   


ゾマホンのほん