「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜復讐は許されるのか?…『さまよう刃』(東野圭吾)

さまよう刃 (角川文庫)

さまよう刃 (角川文庫)

最近、昔では考えられないくらいの陰湿な事件、犯罪が起きているよね…。物騒な世の中だよね…。(ーー゛)
さて、もし、自分の家族が、子供が殺されたら、復讐しますか? 遺族の復讐と少年犯罪をテーマにした問題作がこれ。さすが、東野圭吾


ごく普通のサラリーマン、長峰の一人娘・絵摩の死体が荒川から発見された。花火大会の帰りに、未成年の少年グループによってレイプされた末の遺棄だった。謎の密告電話によって犯人を知った長峰は、突き動かされるように娘の復讐に乗り出した。
長峰は、犯人の一人を殺害し、さらに主犯の少年を追う。愛する娘の仇をうつために。それを食い止める警察との息詰まる展開!そして意外にも世論を巻き込んでいく…。さらに衝撃のラストシーンが…。


正義とは何か。誰が犯人を裁くのか。タイトルのさまよう刃とは実はとても深い意味を現わしている。中でもこの一節が心に響く。


「警察は、法を犯したものたちを捕まえることが仕事である。それによって悪を滅ぼしていける、という建前になっている。だが、こんなことで悪は滅びるのか。捕まえて隔離するというのは、別の見方をすれば、保護することでもあるのだ。一定期間「保護」された罪人たちは、世間の記憶が薄れた頃、再び元の世界に戻っていく。そのうちの多くの者が、もう一度法を犯す。彼らは知っているのではないか。罪を犯したところで、何からも報復されないことを。国家が彼らを守ってくれることを。


自分たちが正義の刃と信じているものは、本当に正しい方向を向いているのだろうかと織部は疑問を持った。向いていたとしても、その刃は本物だろうか?本当に「悪」を断ち切る刃をもっているのだろうか?


ん…。もし自分が長峰の立場だったら…?重いテーマだけど考えされられる本。おススメだよ。