- 作者: マイケル・ルイス,中山宥
- 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
- 発売日: 2006/03/02
- メディア: 文庫
- 購入: 26人 クリック: 216回
- この商品を含むブログ (165件) を見る
大リーグのオークランド・アスレチックスは、選手の総年俸が毎年3000〜4000万ドルとメジャー球団中最下位クラスながら、毎年のようにプレーオフに進出している。資金が乏しいのになぜあのヤンキースを凌ぐ成績を残せるのか?
アスレチックスは一勝あげるのに約50万ドル。オリオールズは300万ドル以上。つまりアスレチックスは投資収益率が格段にいいのだ。それはビリー・ビーンという名物GM(ゼネラル・マネージャー)の存在があるのだ!
ビリー・ビーンは極めて科学的なアプローチから球団作りを行った。すなわち、豊富な資金力による優秀な選手の引き抜きや、監督やスカウトの「長年の勘」ではなく、確かなデータを基に戦略を組み立てて勝利を引き寄せたのだ。戦術としての盗塁やバントが禁止されているこのチームは、他の野球チームとは全く異なる価値観の中で戦っている。
例えば、
「足の速さ、守備の上手さ、身体能力の高さはとかく過大評価されがちだ。優れた打者とは、3割・30本・30盗塁する打者ではなく、出塁率が高く、長打率が高く、三振が少なく、四球を多く貰う打者だ。」 「出塁率とは簡単に言えば、打者がアウトにならない確率なのでデータの中で最も重視すべき」 「ビッチャ−は急速ではなくコントロールが良く四球を出さない投手だ」 「守備力はせいぜい試合の5%にしか影響を与えない」 「守備力の評価はエラー数を比較し、エラーが少ない選手ほど優秀等という評価方法はとんでもない!もしエラーを記録されたくなければ、動作を少し緩慢にしてボールに追いつかなければいい。」 「選球眼なんてそう重要じゃないし、あとで訓練すればどうにかなると思っているが、フロント側が苦労してたどり着いた結論は、これはほとんど生まれつきの才能で、しかも、野球の成功にいちばん直結する能力である。」
マリナーズにはイチローという屈指のバッターがいながら、なぜ地区優勝を飾ることができないのか?その理由が分かる気がする。
これが野球なのか?いままでの野球はなんだったのか?「いや、今まであなた方が信じていたものは野球ではないのだ」とビリー・ビーンは言うだろう。
資金がいくら乏しかろうと、どんな選手がプレーしようと、なんの関係もない。ビリー・ビーンがチームを統括しているかぎり、アスレチックスにはワールドシリーズ優勝の可能性があると言われている。
ん〜びっくりこいた!すごすぎる!こんなGMが我が読売巨人軍にいたらなあ…。(^_^;)常識って時代とともに変わるんだね〜。
オークランド・アスレチックス 英語版公式サイト
http://oakland.athletics.mlb.com/index.jsp?c_id=oak