「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「不動心」(松井秀喜)

lp6ac42007-09-24



2005年、石川県の実家にオープンした松井秀喜ベースボールミュージアムに掲げてある言葉。

<日本海のような広く深い心と 白山のような強く動じない心 僕の原点はここにあります>

〜すなわち「不動心」をもった人間でありたいと松井はいつも思っている。


どんな技術やパワーよりも、逆境に強い力、挫折を乗り越える力を持った選手になりたい。左手首骨折という選手生命を脅かすほどの大怪我から、見事な復活を遂げた松井秀喜。その陰には、マイナスをプラスに変える独自の思考法があった----。
コントロールできることとできないことを分ける、悔しさはあえて口に出さない、7割の失敗と上手に付き合う......など、戦い続けるなかで身につけた松井流「心の構え」を初めて明かした書、ということで読んでみました。いいね〜、松井は。 (^^♪ 彼の人間性と人柄と勝負感が伝わってくる。


野球はストレスの連続。失敗、後悔の連続。打率3割で一流、野球は失敗のスポーツだ。
その分、優勝したときや思い通りのプレーが出来たときの喜びも大きいのだとのこと。
失敗と上手に付き合っていくためには、「どうにもならないこと」ではなく、「今、自分にできること」に集中するしかない。
よく知人から「もっと感情を表にだせばいいのに」と言われる。しかし、感情を口や顔に出すと、その感情に負けてしまう。
悔しさは胸にしまっておきます。そうしないと、次も失敗する可能性が高くなってしまう。コントロールできない過去よりも変えていける未来にかける。だから打てなかった日の僕のコメントが物足りないのは勘弁してください。想像して楽しんで下さい。きっと心の中は悔しさで荒れ狂っているんだろうなと。


・高校三年生の時、星陵対明徳義塾5打席連続敬遠で一度もバットを振らずに甲子園の夏は終わった。
松井は言う、あの時、5打席連続敬遠があったからこそ、日本中から注目され、長嶋監督もテレビを見ていたたのかもしれない。もし、あの時、ホームランを打ったとしてもあれほどは注目されなかったのかもしれない。


王貞治監督は現役の時、どれだけ四球攻めされても一度もバットを投げたことはない、表情一つ変えずにバットをそっと起き、一塁へ歩いていった。バットを投げつけて投手をにらみつけるよりも格好いいと思うし相手への威圧感もあるおうに思える。どれだけ四球攻めされても唯一の好球を逃さずホームランにした偉大さを尊敬している。


・意外だったのは阪神タイガースの大ファンだったので、ドラフト会議の時には阪神の指名を祈っていたとのこと。もし、希望通り阪神に入っていたとしたら…今の松井になっていなかったのかもしれないし、今以上の松井になっていたのかもしれない。当たりくじを引いたのが長嶋監督だったからこそ、出会いがあり、鍛えられたのだとのこと。出会いって不思議だね〜!(^◇^)


・ニューヨークで知人と食事したときのこと、深夜2時を回っていたが、これから自宅へ戻って寝る前にトレーニングをするというとその人は驚いていました。
でも、僕たちアスリートにとってトレーニングは生活の一部、どんなに帰りが遅くなっても、やらない方がむしろ不自然なのです。僕は野球が好きで、心から勝ちたいとおもっているから、そのためのは何かを犠牲にしてでも汗を流そうと思う。
これは、どんなことでも同じだと思いますよい医師になろうと思ったら、そのために必要なことは何かを真剣に考えるし、努力もするでしょう。良い医師になれるかどうかの最大のポイントは才能よりも、むしろそうなりたいという欲がどれくらい強いか。
心からそうなりたいと思えば、その過程で自分にかけているものが何かを考え、それを補うための努力をするのが当たり前。


・毎年シーズンオフに岐阜県養老町にるミズノのバット工場を訪れます。久保田五十一さんと相談しながら、翌年に使うバットを選ぶ。頭の中でイメージしたカタチを口にするといそのとおりに木を削ってバットにしてくれる。生きている気を久保田さんたちが魂をこめて削ってくれる。だからバットは魂の入った生き物です、粗末には出来ません。そして大事にしていれば僕が打ち損じたのにヒットにしてくれるような気がします。バットが折れながらもヒットになったときなど、バットにお礼を言いたくなります。
手入れをすることで道具の状態も分かる。補修が必要な状態なのにそのままプレーしたら、大怪我を招く可能性だってある。「バットはカラダの一部です。」


松井秀喜ベースボールミュージアム
http://www.hideki.co.jp/
松井秀喜 『不動心』 新潮社
http://www.shinchosha.co.jp/wadainohon/610201/