- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/11/13
- メディア: 文庫
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防衛庁が開発中のGPS機能搭載の超大型ヘリコプターが何者かの遠隔操作によって盗まれた。その超大型ヘリは福井県・敦賀の『新陽』の原子炉上空千数百メートルで無人操縦でホバリングを始めていた。そして不幸にもメーカー社員の子供が一人乗っているのだ。その犯人の驚くべき脅迫は、
『直ちに、日本中の原発を破壊し、即刻使用不能にせよ。さもないとヘリを高速増殖炉に墜落させる。』
日本国民全てを人質にした要求。そして犯人は見当たらない…。「天空の蜂」と名乗る犯人がどこにいるのか見当がつかない…。そしてヘリ内部には、子供が閉じこめられ、爆薬も満載されていた。日本国民すべてを人質にしたテロリストの脅迫に対し、政府が下した非情の決断とは…。そしてヘリの燃料が尽きるとき…。驚愕のクライシス、圧倒的な緊迫感で魅了する傑作サスペンス!!!
時間にすれば僅か9時間半の出来事を圧倒的なスピード感をもって展開する予期しない結末!?
原発問題がテーマではあるが、日本のエネルギー問題、そしてそれを支えている原発地域の人々やメンテナンスに携わっている人たち、親子の愛情、愛する人への想い、いじめなど複雑な問題を含んでいる。
最後の犯人からのメッセージには、涙が出た…。(T_T) 私たちの平和な暮らしは多くの人の汗と涙で成り立っているのだ!
作者は、本作の取材と研究活動に、足掛け3年の歳月を費やしたそうだが、彼の理系の知識をふんだんに使っているのだが、分かりやすい。映像化してほしいなあ…。(^^♪