「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜才能か?努力か?…『カッコウの卵は誰のもの』(東野圭吾)

カッコウの卵は誰のもの

カッコウの卵は誰のもの

私は、兄の影響で、兄と同じ明治大学農学部農芸化学を目指し、奇跡的に(?)現役で合格した。高校3年の一学期の終わりに文系から理系に急遽、進路変えをしたのだ。もともと自分は文系だと思っていたし、文系科目が好きであり、得意だったので、英文科か外国学部に行こうかと決めていたのだが…。


しかし、兄から、農学部がいかに我々の生活に密着しているか、面白いかをプレゼン、クロージングされて、一念発起!苦手な化学を猛勉強して得意科目にして、入学したまではよかった…。が…理科のセンスが無かったのだ…。面白くないのだ…、興味がわかなかったのだ…。やっぱり科学的なものよりも、人と人とのコミュニケーションとか文学の方が面白いし、モチベーションになるんだよね…
教授人達のお情けでナントカ卒業させてもらったけどね。


さて、全作品読破している東野圭吾の最新作!さっそく読みましたよ〜!(^◇^)帯のキャッチコピーから惹きつけるよね。


「娘には才能があり、自分には隠し事があった。彼女の幸せを願っていた。東野圭吾は、立ち止まらない。さらに先へ行く傑作!」


この作品のテーマは「優秀なスポーツ選手というのは、遺伝による才能なのか?本人の努力なのか?」そして「才能はあるのに興味が場合と、才能はないのに興味がある場合とではどちらが成果を生み出すのか?」そこに東野圭吾ならではのミステリーが重なる。そのエッセンスを紹介しよう。


アルペンスキーのオリンピック元日本代表・緋田宏昌の娘・風美には生まれながらのスキーの才能があった。自分の血を受け継ぎ自分の夢であるメダリストになることを望んでいた。しかし、緋田には、風美に言えない秘密があった。緋田の妻・智代は風美が2歳になる前に、自殺したのだ。しかも遺品の中から実は妻が流産していたことを知る。では、風美は誰の子なのか?


そこにスポーツ科学研究所のある計画が持ち込まれる。その計画とはスポーツに向いている人材を遺伝子から発見し、早期に最適な指導を施すことで優秀な選手を育成するというものだった。この技術が確立できればものすごいビジネスになる。ドーピングは違法だが、遺伝子による才能の発掘は適法であり、選手の未来を明るく拓くという点だ。


そして緋田親子に、スポーツ医学的な研究をしたいので遺伝子を調べさせてほしいという相談が舞い込む。さらには、風美の競技会出場を妨害する脅迫状が届きはじめて…。才能と幸福。父であること。父を継ぐということ。複雑にもつれた殺意…。超人気作家の意欲作!


東野作品は、ほとんど題名の意味するメッセージがラストに書かれている。それがコレ。


「柚木さん、カッコウっていう鳥は、ほかの種類の鳥の巣に自分の卵を産むそうだ、モズとかホオジロとかのさ。そうして、雛を育てさせる。知ってるかい?才能の遺伝ってのはさ、いわばカッコウの卵みたいなもんだと思う。本人の知らないうちに、こっそりと潜まされているわけだ。伸吾が人より体力があるのは、俺があいつの血にそういうカッコウの卵を置いたからなんだよ。それを本人がありがたがるかどうかはわからない」


やっぱり才能じゃなくて、努力だし、好きこそものの上手なれだし、産みの親よりも育ての親だよね〜!文句なしでオモシロイ!オススメ!(*^。^*)