「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜100万都市の原景…『江戸空間』(石川英輔・評論社)

lp6ac42007-05-20

15年ほど前から地球環境のことに興味を持ち、いろんな講演会に行ったり、環境ボランティア活動に参加したり、本を読んだりして、自分なりに勉強していた。その中で最も影響を受けた一人が作家・石川英輔さんの江戸時代に関する著書のシリーズだ!


『江戸時代と聞いて何を思い浮かべるか?』という質問をしたらどんなイメージが浮かぶだろうか?切捨て御免、一揆、飢饉、鎖国、圧政、五人組、士農工商キリシタン弾圧、徳川家康、…こんなところだろうか。


明治以来120年間、学校では江戸時代が悪い時代だったという教育が一貫して行われてきた。しかし、さまざまな角度から眺めているとむしろ現代社会よりも優れていた点があるのではないか、という著者の大江戸シリーズの原点がこの本にあり、正に目からウロコ!!!\(゜ロ\)(/ロ゜)/ そのエッセンスを紹介しよう。


江戸の警察官はたった24人!?
与力や同心と呼ばれる現代でいう警察官は、50万人以上人口がいた江戸でたった24人しかいなかった。江戸ではほとんど犯罪のない町だったから必要なかったのだ。その理由は、一つの町には、自身番という町内会の事務所のような小屋が一ヶ所あって交番と消防と区役所の出張所のようなものがあり、手ごろな集会場としても使われていたようで、将棋をしたり、酒宴をもよおしたりして、人の出入りが多く、町内の情報は出回っていて怪しいものがいたら通報してくれるしくみになっていたからなのだ。


予想外に自由な全国旅行
どんな辺鄙な土地に行っても、行きずりの修行者を無料で泊めてくれる家(善根宿)があったのだ!スゴイ!しかも12月になると『年宿(としやど)』といって、親切な家が年末年始の半月くらいを年越しのために滞在させてくれた、そんな風習が日本中にあったのだそうだ。だからこそ日本では鍵の文化が発達しなかったのだとのこと。私の小さいころ新潟の実家では鍵をかける習慣がなかった。留守中に、近所の人がコタツに入って勝手にお茶を飲んでいたっけ。(^・^)


仕事の腕前が社会保険
職人は出職と居職に分かれる。出職というのは、大工、左官のようによそで働く職人で、居職は自宅の作業場で働く職人。純粋な技術者は道具箱一つで持てばどこでも働くことが出来て、若いうちにしっかり修行しておけば、一生食いっぱぐれがなかった。つまり自分の腕が社会保険のようなものだったのだ。なるほど!現代で例えると、ウチの会社がやっているようなコミュニケーション能力、セールス能力、つまり自分を売る力があれば、どこへ行っても通用するし、食いっぱぐれない!ということだろうか。(^^♪


のんきで平和な江戸時代に対して、今はなんて危なっかしくって、せわしないんだろう…。もっとスローな生活になってもいいかも!?