「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「江戸の密通 性をめぐる罪と罰」(永井義男)

   


江戸の密通―性をめぐる罪と罰 (学研新書)


全著作読破を狙っている永井義男氏の本。この本もオモシロかったよー!(・∀・)

江戸時代、夫婦以外の男女の性交渉はすべて密通とされた。結婚前の恋人同士の行為も、不倫も心中も僧侶の女犯も、すべて密通という性犯罪だったのだ。刑罰は苛酷だったが、身分によって軽重があったり、間男か間男でないかを幕府評定所のお偉方が角突き合わせて審議したり…。大岡越前遠山金四郎根岸鎮衛ら名奉行たちも裁いた江戸の密通とその刑罰事情とは!?」そのエッセンスを紹介しましょう。


「密通」の二文字を見ると、現在ではすぐに男女間の淫靡な不倫が連想される。ところが、江戸時代の「密通」が意味する内容は現代とはかなり異なっていた。江戸時代、正式な婚姻以外の男女の性交渉はすべて密通だった。男と女の性に関する罪、性をめぐる罪全般といってもよい。密通の範囲は広く、刑罰も過酷だった。しかも、当事者の立場によって罰が異なっていた。


・たとえば、自分の主人の妻と密通すると、男は「引廻(ひきまわし)の上、獄門」、妻は「死罪」お手引きした者は「死罪」となった。現代に直せば、次のようである。


会社に努める独身のA男が、偶然、社長の妻のB子と知り合った。いつしかふたりは肉体関係になったが、社長にばれると大変である。ふたりは用心して電話もメールも、A男の同僚のC子を通じtえ、取り交わすようにしていた。ところがこの不倫が発覚してA男とB子、それにC子も警察に逮捕され、裁判の結果、三人は死刑となった。不倫の当事者のA男とB子はもちろん、たんに仲介役だったC子も死刑となったのである。


現代人には想像もできないきびしさである。江戸時代の密通には峻厳な御仕置が待っていた。

しかし、江戸時代の男女は品行方正で、婚前交渉や不倫などはなかったわけではない。不倫に限らず、多くの江戸の男と女はおおらかに性を謳歌し、奔放に享楽していた。「密通」は横行していたと言っても過言ではない。密通に科せられる刑罰などなんのそのというわけである。


密通で不問に付されたのは、内済や揉み消し工作が成功した場合である。感情的なもつれ、あるいは手違いから密通が表沙汰になり、さらに裁判沙汰になると、建前としての厳格な杓子定規に適用さて、関係者一同が現代では考えられない過酷な処罰を受け、いたましい悲劇となった。


「江戸の刑罰の特徴」「死刑の種類」「婦女暴行、近親相姦、心中」「女犯ー抑えきれない僧侶たち」「隠し売女稼業」「多くの人目に触れさせた「晒(さらし)」と「獄門」」など。


いやいやいや〜!読んでいるうちにイタくなってきたよー!(・。・)!オススメです。


   


江戸の密通―性をめぐる罪と罰 (学研新書)