「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜最愛(真保裕一・新潮社)

最愛

最愛

ここ数年読んだ小説の中で最も複雑な読後感をもった作品。とくにラスト20ページの意外な結末には息を呑む…。こんな愛の形があるのか…と。
オレンジ色の表紙に『最愛』そして二人の天使のイラスト。これも意味深だ…。


34歳の小児科医の押村悟郎に刑事から電話がある。18年間音信不通だった姉・千賀子が、意識不明で救急病院に搬送されたのだ。重傷の火傷、頭部にうけた銃創。しかもそれは、伊吹という男と婚姻届を出した翌日の出来事だった。しかも伊吹は、かつて自分の妻を殺めてしまった男だった。

「姉さん、あなたはいったい何をしていたんだ…」


悟郎は駆り立てられるように調べ回る。千賀子のアパートで見つけた不審な預金通帳、姿を現さない新婚の夫。噛み合わない事実。やがて見えてきたものは、不器用なまでに真っ直ぐな姉・千賀子の生き様。幼くして親兄弟と離れ離れとなり、愛に飢えた彼女は一途に愛を求めて生きてきたのだった。


人にはいろんな過去がある。それをどこまで受け入れられるのか。そして罪を犯した人をどこまで受け入れられるのか?でも似たような罪を犯した者同士なら、傷を舐めあうようにお互い愛せるのでなないだろうか?


…うまく書けないなあ…。あらすじを書くとネタバレになっちゃうし…(~_~;) ピン!と来たらぜひ読んでみてください。


最後の文章が特に印象的だ。

『人は力の限り走ろうとするとつい、目をつぶりコースから外れてしまうことがある。』