「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜遠き落日(渡辺淳一)上・下

遠き落日(上) (集英社文庫)

遠き落日(上) (集英社文庫)

遠き落日(下) (集英社文庫)

遠き落日(下) (集英社文庫)

言わずと知れた野口五郎…いや、野口英世の赤裸々な伝記です。(~_~;)
映画にもなりましたね。(私はまだ見てませんが…)『24時間人』
『人間発電機(ダイナモ)』『野口はいつ眠るのか?』と言われた野口。

著者が医者ということもあり、医学者と医学の進歩という視点からも
今まで知られていない野口英世のエネルギーと生々しさが伝わります。


私が感動したのは、彼の業績はもちろん、語学の天才という側面、そして
嫌われない図々しさやると決めたことへの徹底的なこだわり、そして
女遊びが好きで、今の価値で2億5千万ともいわれる借金をし、ほとんど
返さなかったという金銭感覚破綻者という側面です。それでも彼に惹かれ
支援しようという人がいた。その振り子のような両極端なところが好きですね〜。


会津若松で英語と仏語を習得。ドイツ語を4ヶ月でマスターし、日常会話から
原書まで辞書なしで読めるようになったり、中国語を渡航中の船の中でマスター
したり。その根底には故郷なまりへのコンプレックスがあるらしい。


本名の清作から英世に改名したのも、坪内逍遥が『当世書生気質』で主人公の
『野々口精作』が女と金にだらしなさが、まるで自分のことを言っているよう
に誤解されるかもしれないので、役所に申請したら、同じ村に同姓同名がいる
場合以外は改名は認められないとのこと。そこで、同じ村の他の野口家に生ま
れた男の子に村でただ一人医者になった男だと『清作』と命名させ、自分は
『英世』へ改名した異様な執念。スゴッ!!


『俺は、本当は少しも眠たくないんだ。何日徹夜しても平気だ。でも明日の仕事
のためには今、寝たほうが得だ。そう思った時だけ寝ている。』



『少しでも他人から抜け出そうと思ったら他人の倍以上の努力をしなければダメだ。今、こうして君と話している間も世界には誰かが顕微鏡を覗いて狙っている。ほら彼らの足跡が聞こえるだろう』


私は、1000円札を使うたびに、野口英世から一所懸命さとエネルギーを
もらっているような気がするのだ。