「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「日本の名随筆(別巻73)野球」(平出隆)

 

野球が大好き。年間365冊読む本のウチ、野球関連だけでも20冊は読むかなあ!そんなにあるのって思うかもしれないけど、あるのよー!!!(*^^*)

 

さて、この本は野球に関しての随筆を集めたもの。スゴいのは宮沢賢治正岡子規夏目漱石が野球について書いた文章もあるのよ!!!スゴいでしょ!!!そのエッセンスを紹介しよう。

 

愉快とよばしむる者ただ一ツあり ベース、ボールなり 凡そ遊戯といへども趣向(プリンシプル)簡単なれば、それだけ興味薄く。さりとて囲碁、将棋の如きは精神を過度に費し、且つ運動にならねば遊戯とはいひがたし 運動にもなり しかも趣向の複雑したるはベース、ボールなり 
 
 ベース、ボールは総て九の数にて組み立てたるものにて 人数も九人づつに分ち勝負も九度とし pitcherの投げるボールも九度を限りとす これを支那風に解釈すれば九は陽数の極にてこれほど陽気なものはあらざるべし 九五といひ九重といひ皆九の字を用ゆるを見れば誠に目出度き数なるらん正岡子規「筆まかせ抄」)
 
 
野球は球技の中で唯一、球がいくら遠くへ飛んでもかまわない開放的なスポーツである。他の球技では、両チームのラインは向かい合って対称形に引かれ、そのラインをめぐってせめぎ合う。これに対して野球は扇形にひろがり、外野フェンスは便宜的なものに過ぎない。本来、われわれの草野球のように、ホームランとはランニング・ホームランなのだ。野球はまた、他の球技のような時間制も点数の上限もない。この点でも開放的な球技である。
 
何点入れようが、いくら時間がかかろうが決着するまでやる。そして、球をできるだけ遠くに飛ばしておき、球より先に人間がホームに還って特典する唯一の球技である。閉ざされがちな社会のマジメな日本人が野球を愛するのもむべなるかな。(赤瀬川隼「東京ドーム考」)
 
「カッコーの鳴く球場へ 後楽園・川崎球場の巻」(川村二郎)「ジャイアンツVSシュウマイ」(赤瀬川原平)「夢のベストナイン」(吉増剛造)「長嶋様の生家をたずねて」(ねじめ正一など。

特に、「グラヴ職人との一夕」(平出隆)の柿崎修一(カキさん)さんの文章は響くなあ……。長嶋さんのご実家に行ってみたーい!オススメです。(*^^*)