さて、この本は、鶴瓶の弟子の銀瓶が書いた本。縁の不思議さを実感するなー!♪
「タレントになりたくて笑福亭鶴瓶に弟子入りしたけれど、自分の居場所が見つけられずに「辞めさせてください」と口にした。師匠は首を縦にふらなかった。あの日から30年の月日が流れ、弟子は自身の独演会で師匠と競演する。タレントではなく、落語家として生きる道を選んだ弟子。「あの時、お前を辞めさせなくて良かった」師匠にそう感じてもらえるようにと自分を戒めながら、笑福亭銀瓶は今日も高座に上がる」そのエッセンスを紹介しよう。
・「卒業式でな、卒業証書を渡す時、
間違いなく、石原基司先生がしてくださった、 この卒業証書のことである。
・何かをしよう。何かになろう。エンジニアになりたいか? なりたくない。失敗してもいいから、 自分が打ち込めることをやろう。自分は何が好きだ?
人を楽しませること?子どもの頃から、 友達や先生や親や親戚が笑ってくれると嬉しかった。笑いの世界? ダメで元々。十年やって食えなければ諦めればいい。何をする? 漫才?
いや、やるんやったら一人や。誰かに弟子入り?そうや、 弟子入りや。誰の弟子になる?次の瞬間、 この人の名前が浮かんだ。
「鶴瓶さん」
優しそうやし、鶴瓶さんやったら弟子にしてくれるんちゃうかな。
・「芸人の世界は特殊な世界や。そやけど、 特殊な世界だからこそ、普通の感覚を持っとかなアカンねんで。 普通の感覚が分からへん奴は、この世界では絶対に通用しない」
・「今日からお前は、在日韓国人でも、韓国人でも、 日本人でもない、今日からお前は、芸人や」
・どこかに、後ろめたい気持ちがあった。師匠を選んだ「 一番の理由」が「鶴瓶さんのことが大好き!」 ではなかったからだ。 実はそんなに師匠のことを知らなかったのである。「売れるかも」 「うまくいくかも」という不順な動機で弟子になった。
・「ついさっき起きた話をすることが大事なんや。「いや、 さっきね。楽屋に入る時、おばちゃんに声かけられてね。 ほんなら、そのおばちゃんが……」たった今あった話を、 どれだけ自分の言葉で、 そして即座に面白く組み立てることができるか。
・「どんな小咄でも、どの落語でも、何べんやってる噺でも、 常に、自分はこの噺を初めて喋るんやと思て、 高座の上がらなアカン。そして、 目の前に昨日と同じお客さんがいてはっても、 この人たちはこの噺を初めて聴かはるんやと思て、喋らなアカン」
・「弟子を辞めさせてください」一瞬の沈黙の後、師匠が尋ねた。 「なんでや。あのな、お前を弟子にしたんは、俺や。そやから、 お前を辞めさすんも、俺や。俺が見て、こいつはアカンと思たら、 俺から言う。お前、辞めと。 お前から勝手に辞めることはでけへん。俺は今、 お前を辞めさすつもりはない」この人、俺のこと、 愛してくれてはるんや。俺は、 メチャクチャ好きで弟子になったわけやないのに、俺のこと、 愛してくれてはるんや。師匠には申し訳なかったのだが、その時、 初めて、師匠のことを「好き」になった。
・「銀ちゃんはなぁ、丁寧に落語をやってて、 それはそれでエエんやで。けどな、絵に例えると、銀瓶の落語は、 鉛筆で描いた絵や。鉛筆で細かく丁寧に描いてる。 それも大事うやねんけど、これからは、そやなぁ、 クレヨンで描いたような、荒っぽくてもエエから、輪郭を太く、 ガッ、ガッと描いたような絵。 そういう落語をやってみたらどないや」
・「不可能とは、 自らの力で世界を切り拓くことを放棄した臆病者の言葉だ。
不可能とは、現状のに甘んじるための言い訳に過ぎない。
不可能とは、事実ですらなく、単なる先入観だ。
不可能とは、誰かに決めつけられることではない。
不可能とは、通過点だ。
不可能とは、可能性だ
不可能なんてありえない」(モハメド・アリ)
・「銀瓶くん、自分の会を持たなアカンよ」
・師弟の縁は、前世・現世・ 来世の三世につながる深い因縁で結ばれている、 というい意味を持つ、その言葉。
・「師弟は三世」
師匠と私は、前世には、どんな間柄だったのだろう。
来世には、どのように巡り合うのであろう。
願わくば、ずっと、現世であってほしい。
今のまま、ずっと。
司馬遼太郎『故郷忘じがたく候』は、さっそく読もう!ワタシは流しの「芸」を磨く上でも参考になったなー!おオススメです。(・∀・)♪