この本、すごいなあ。哲学的な内容になっているなあ!♪あらためて「タモリ」を論じているところがスゴイ!♪
「タモリをもっと知りたくて。デビュー時から現在までの、タモリの様々な発言やエピソードを丹念に読み解き、その特異性と唯一無二の魅力に迫る。親しみ深くて謎の多い、孤高の男の実態とは」そのエッセンスを紹介しよう。
・「僕は予定調和が崩れて残骸が散らばった時に、また違うものなるのかどうかを目撃したいし、それが面白いんです。怖さ半分興味半分ですけど、結局は今そこで起こることが一番面白いわけですから」
・タモリはジャズの魅力を「目の前で『音楽ができ上がっていく』、その現場に居合わされる」ことだと語っている。「その場で出来上がったライブも、その場かぎりで、終わり。次の時にはまた違うって音楽はね、ジャズだけ」
・「才能っていうと、すごく偉いように聞こえますが、持って生まれたものです。努力して勝ち得たものじゃないですから、あまり価値のないものです。あまり人に誇れるものじゃない」
・「俺のやることに意味なんかあるわけないだろ!」
・「意味の世界はきらいなんです」
「いまだにそうです。イヤなんです、意味が」
「ぼくが音楽を好きだというのは、意味がないから好きなんですね」
「僕は苗字も名前も逆になってるんです。逆人生」
・タモリは芸能界入りするにあたり、自ら4つの戒律を定めたという。
1 誰の弟子にもならない
2 組織には属さない
3 頭をなるべくさげずにカネをもうける
4 色紙にサインするときは、斜めの横にそえるモットーのようなものは持たない
・「番組はマンネリと言われてからが勝負ですね。マンネリと言われると普通は慌てていろんなことをやろうとする。それで失敗するんです」
・「昼間の番組はファーストフードだと思うんだよね。ファーストフードも極端にまずいんなんちゅうこともないですよね。繰り返しに耐えるっていうのは、結局、薄味じゃねェかと思うんだ。濃厚で強烈な味はうまいと思うけど、毎日は絶対くえないですから」
・(タモリ倶楽部は)「『今のテレビはピシーッと隙間のない番組ばかり。だからこの番組は隙間だらけにしてくれ」って。注文はそれだけ。隙間は大歓迎なんです!」
・「ぼくはもともといつの日常が遊びであれば、と思っている男です。“遊び精神”がゴチゴチの常識を破る…それをゲリラ的にやっていく痛快さがこたえられないんです」
「教養なんてのは、あってもなくてもいい。大人のオモチャなんだから。あれば遊びが増えるだけ」
・「私はラクをしたいので、なるべく自分はしゃべらず、相手に話していただいて、同じギャグなら出番が少ないほうが効率がいいわけで、これを芸能効率説といいます(笑)」
・(横澤彪)「これほど、芸人として我のないやつに会ったことない。攻撃力はない、でも受けに回ると、絶対ミスはない」
・「俺から言わせてもらえば。みんなが力入れすぎなの。感情を入れれば入れるほど客は引く。『伝える』ということを勘違いしているんでしょうね。こっちも『すごい』と思ってるのにそっちで泣かれたら泣けないんです。興ざめする。『ほんとにうるせぇな』って。テレビは絵があるわけですから。そんなに説明もいらないし、涙もいらないんです。絵があって便利になったのに、余計なことするから逆に伝わってこないんです」
・「俺、熱い人ダメなんだよ、熱く語る人いるじゃん。『やんなきゃ!』『やっていかなきゃ人間はダメなんです!』」って。そういう人いるとすごい俺テンション下がるの」
・「やる気のある奴っていうのは、中心しか見てないんだよねよ。お笑いっていうのは大体周辺から面白いものが始まってくるじゃない」「やる気のある奴はそれ見てないんだよ」
・「反省なんかしません。反省なんかしたら毎日やっていけませんよ。悪いこといっぱいあるんだもの。俺が自分の番組一切見ないのも、悪いことばっか見えちゃうから。自分の番組見てたら自分大嫌いになりますよ。自分のこと大嫌いですから。番組中は自分のこと忘れて結構やってるから、後でああいうことやってる自分を見たらいやだもの」
・「人生成功せにゃいかん、ナンバー1にならなきゃいかん、それは何歳までにこういうことをやっておかないといかん。ダメだよ、それじゃあ。苦しくなるから」
・座右の銘「適当」「現状維持」「俺は努力ということをしない」「向上心なんてなかったですからねぇ。今もないし」
・「人間の不幸は、どだい、全体像を求めることにあると思うんです」
・「俺、全然大人になっていないんですもん。むしろ拒否した。もう俺はいいんだって。俺はこうなんだ、こういうものなんだってこと、やっぱりこう周りに見せないとね、アホだぞっていうのをね」
・「人間にとって一番恥ずかしいことは、立派になるということです。僕にダンディズムがあるとしたら、このへんですね」
・「人間とは後悔するためにすごすものである。どんな選択をしても人間はどっかで後悔するんだよ。だからこそ、悩んだところで仕方がないのだ。挫折と無縁の人生などあり得ない。それにもかかわらず「夢は当然叶うもの」と思っていれば。挫折の後にはもはや絶望した残されていない」
・「夢がなかったら、自殺者がだいぶ減ると思うんです」
・「無計画、無責任、無目標、無国籍、無専門」の5無主義。
・タモリは「笑われる」でもない「笑い合う」という「楽しい」笑いを日々お茶の間に届け続けたのだ。淡々とした中にほのかな狂気を潜ませながら。
・誤解されちゃ困るけど、向上心がある人は、今日が明日のためにあるんだよ。向上心がない人は、今日が今日のためにあるんだよ。向上心=邪念ってことだよね。夢があるような、人間終わりだ、ね
深いなあ。とてつもない人間の奥深さを感じるなあ。噛み締めたいなあ。オススメです。(・∀・)♪