「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「しびれる短歌」(東直子 穂村弘)

 

二十五年以上前に五行歌を書き初めて毎日毎日創作していった。新潮文庫「マイブック」に書き連ねていった。この頃は、いまほど「酒場のギター弾き」の活動はしておらず、もっぱら書く方だった。この頃のキャッチフレーズは、「愛を綴る五行歌人」ということで、何度も新聞、展覧会、書籍にご紹介された。福岡のイムズの「恋の五行歌展」では、優秀賞をいただき3万円の商品券をいただいたこともある。♪

 

さて、この本のテーマは短歌。

恋、食べ物、家族、動物、時間、お金、固有名詞の歌、トリッキーな歌など、様々な短歌を元に歌人の二人が短歌とは何かについて語る。短歌の本質がわかる」そのエッセンスを紹介しよう。

 

・したあとの朝日はだるい 自転車に撤去予告の赤紙は揺れ(岡崎裕美子)

 
・箸立てにまだ立ててある妻の箸かたりと動く箸取るたびに(岩間啓二)
 
・年下も外国人も知らないでこのまま朽ちてゆくのか、からだ(岡崎裕美子)
 
・ほろびる、としずかに声にだしてみるボディソープを泡立てながら(富樫由美子)
 
・もちあげたりもだされたりするふとももがみえる せんぷうき 強でまわってる(今橋愛)
 
・脱がし方不明な服を着るなってよく言われるよ 私はパズル(古賀たかえ)
 
少女ゆえ恥じらうというセオリーを壊したくって目をあけていた(岡崎裕美子)
 
・体などくれてやるから君の持つ愛と名の付く全てをよこせ(岡崎裕美子)
 
焼肉とグラタンが好きという少女よ私はあなたのお父さんが好き(俵万智
 
・同棲をしたいと切り出す妹の納豆の糸光る食卓(鯨井可菜子)
 
もろもろの愛情はもうどうでもよし小さくなりたり母ふたり母ふたりあり(小島ゆかり
 
父の撒くポップコーンを鳩が食ふついでもついでの父も食はれてしまへ(大村陽子)
 
・「奥さんは元気」とふっと聞く妻をお前さんだときつく抱きしむ(渡辺光男)
 
・この包丁切れ味悪いとリビングへ持って入れば夫後ずさる(石田恵子)
 
・好きなのはあんなところが自転車のサドルにいつも載っている猫
 
蚊に食われし皮膚もりあがりたるゆうべ蚊の力量にこころしずけし(内山晶太)
 
・「もう嫌だ俺はペリカン便に行く」クロネコヤマト倉庫の壁に(入谷いずみ)
 
・録画したサッカー中継見てゐますLIVEの文字も録画されて(岩間啓二)
 
・「一秒でもいいから早く帰ってきて ふえるわかめがすごいことなの」(伊藤真也)
 
・カレンダーめくり忘れた僕が二秒で終わらせる五・六月(木下龍也)
 
・洗濯機の レンジの ビデオデッキの デジタル時計少しずつずれてる(もりまりこ)
 
・奥村は源泉徴収でボーナスの四分の一を国に取られた(奥村晃作
 
・大きければいよいよ豊かなう気分東急ハンズの買物袋(俵万智
 
・生前は無名であった鶏がからあげクンとして蘇る(木下龍也)

 

いいねえ。しびれるねえ。しびれる「五行歌、再び書いてみようかな。オススメです。(・∀・)