「酒場のギター弾き」のワタシ。25年くらい前には、自称「愛を歌う五行歌人」で、愛と恋しか歌わないという信条で「五行歌」を毎年400首くらい創作していた。その後、やっぱり声に出して歌う歌の方がいいなあ!ということですっかり「五行歌」から「流し」にシフトしてしまった。♪
さてこの本。大人になってから読んでみたら、いいよお!♪
「世の中で一番、よくわからないものの一つ。それが、愛だ。…わからないけれど、世の中には「愛」だの「恋」だの言葉が飛び交って、誰もがそれをわかり切っている顔をして、何もかもが動いている。…本書に収められた短詩形作品のどれもが、自分自身の他にも、愛の相手となったりする誰かを描いている。この小さな短詩形の中に、無数の人間関係が描かれている。新時代のアンソロジー」そのエッセンスを紹介しよう。
・海を知らぬ少女の前に麦稈帽のわれは両手をひろげていたり( 寺山修司)
・内のチヨマが隣のタマを待つ夜かな(正岡子規)
・やはらかに積もれる雪に 熱(ほ)てる頬(ほ)を埋むるごとき 恋してみたし(石川啄木)
・夕焼けに入っておいであたまから(妹尾凛)
・お別れに光の缶詰開ける(松岡瑞枝)
・暴風と海との恋を見ましたか(鶴彬)
・君はいま大粒の雹(ひょう)、君を抱く(坪内稔典(ねんてん) )
・よいにおいふたりで嘘をついたとき(久保田紺)
・くれなゐにそのくれなゐを問ふがごと愚かや我の恋をとがむる( 与謝野鉄幹)
・たとへば君 ガサッと落葉すくふやうに私をさらって行つてはくれぬか( 河野裕子)
・やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君( 与謝野晶子)
・たてがみを失ってからまた逢おう(小池正博)
・寂しいと言い私を蔦にせよ(神野紗希)
・恋人にボタンはずしてもらう初夏(松田京美)
・観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日(ひとひ)我には一生( ひとよ)(栗木京子)
・一度だけ本当の恋がありまして南天の実が知っております( 山崎方代(ほうだい))
・柚子風呂の君には柚子の集まりぬ(玉城涼)
これ、大人になってからじゃないとわからないんじゃないかな!?ここ数年「初恋」をしていないので(笑)恋したくなりましたー。オススメです。(・∀・)