「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「短歌の友人」(穂村弘)

この本、いいなあ。短歌ってずいぶん変化して来ているような気がする。こんなふうに表現出来るってすごいなあ!(・∀・)
 
歌を作り、歌を読み続けてきた歌人が、歌について考える。自己、他者、コミュニケーション、性別、リアリティ、共同体、時代…様々な世代の歌人たちが詠った短歌の「面白さ」を味わううちに、その背後にある世界の「面白さ」が立ち現れる。各界の評判を呼んだ、著者初の歌論集。伊藤整文学賞受賞」そのエッセンスを紹介しよう。
 
 
・「おはよう」に応えて「おう」と言うようになった生徒を「おう君」と呼ぶ 千葉聡
 
ひも状のものが剥げたりするでせうバナナおあれも食べてゐる祖母 廣西昌也
 
・173cm51kgの男憎めば星の匂いよ  山咲キョウコ
 
・一千九百八十四年十二月二十四日のよゐのゆきかな  紀野恵
 
カップ焼きそばにてお湯を切るときに流しのかなしきしらべ 松木
 
女子トイレをはみ出している行列のしっぽがかなりせつなくて観る 斉藤斎藤
 
・たくさんのおんなひとがいるなかで わたしをみつけてくれてありがとう 今橋愛
 
きのうの夜の君があまりにかっこよすぎて私は嫁に行きたくてたまらん 脇川飛鳥
 
・生徒の名あまた呼びたるいちにちを終わりて闇に妻の名を呼ぶ 大松達知
 
・逃げてゆく君の背中に雪つぶて 冷たいかけら わたしだからね 田中槐
 
・「カルピスが薄い」といつも汗拭きつつ父が怒りし山荘の夏 栗木京子
 
・いらいらとふる雪かぶり白髪となれば久遠に子を生むなかれ 春日井建
 
ねじをゆるめるすれすれにゆるゆるとねじはほとんどねじでなくなる 小林久美子
 
・一回のオシッコに瓷一杯の水流す水洗便所オソロシ 奥村晃作
 
・音もなくポストに落ちし文一通あと数時間ここにありなむ 香川ヒサ
 
・つよく生きろというのをつよく 生きてないような大人たちが 盛田志保子
 
・大きければいよいよ豊かなる気分東急ハンズの買物袋  俵万智
 
・「嫁さんになれよ」だなんてカンチューハイ二本で言ってしまっていいの 俵万智
 
・したあとの明日はだるい 自転車に撤去予告の赤髪は揺れ 岡崎裕美子
 
・症状を用紙に記す「できるだけ詳しく」って、この二行の幅に? 兵庫ユカ
 
・謝りに行った私を責めるようにダシャンと閉まる団地の扉 小椋庵月
 
・ありがとう記憶の編集をしてくれて 切ったフィルムはもちろん捨てて 向井ちはる
 
なぜ涙が砂糖味に設定されなかったかそんなの知ってる蟻がたかるからよ 飯田有子
 
・地の果てへ向かう心地に新宿の動く歩道をずんずん歩く 天野和子
 

 

いいねえ。ワタシもつくってみようかな。五行歌、また始めようかな。オススメです。(・∀・)