「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「ミュージカル・劇場 解体新書ー制作テクニックからマネジメントまで」(石原隆司)

最近、ご縁をいただいた著者の石原隆司さん。お話を聞いていたら、ミュージカルや劇場にとても詳しい。本も出していると聞き、さっそく読みました。これがまたオモシロい、実にオモシロイ!!!(・∀・)
 
「ミュージカルの舞台には、正面から(観客席から)見えている部分以外にも、数多くの工夫がなされています。それはすべて、ミュージカルを最も輝かせるため。ミュージカルの作品のあらすじや、演じる俳優について知るのもよいけれど、もっと深層部にまで踏み込んでみませんか?正面からだけでなく、上から、裏から、横から見て、ミュージカルを支える数々の仕組みを知ることで、ひとつ上の鑑賞法を楽しめるようになります」そのエッセンスを紹介しよう。


・ニューヨーク・ブロードウェイやロンドンでは、ユニオン(組合のようなもの)に規定があり、原則週8回の公演と決まっている。1人の俳優は原則週8回登板しなければならない、ということである。アンダー・スタディというのはあくまで代役であって、何かの事情で当該俳優が出られない際に出演する。いうならばシングル・キャスト。日本では、同役を2名、3名(ダブル、トリプル)、場合によっては4名の俳優が交代で演じる仕組みが定着している。これはロングランを覗いて短期集中で公演するために、週10回公演というダイヤグラムも存在するからである。俳優の負担を軽くする理由があるようだ。加えて「いろいろなキャストで見たい」というお客様の要望に応える狙いもあるのだろう。さらに、こうすることによるチケット販売増収効果も見逃せない。
 
「今日の舞台は劇場(こや)が鳴ってたなあ」という表現があります。また「劇場には人格もあり、良し悪しの判断に厳しく、型破りの縁起は拒絶し、汗と涙の量に裏付けられた縁起には惜しみない喝采と贈る」とも。素晴らしい劇場、素晴らしい演目が総有情し、それらに観客が牽引されて、劇場空間に共鳴エネルギーが生まれるのでしょうか。
 

「ミュージカルとは何か」「ミュージカルとマネーの簡単解説」「ミュージカル制作の実際」「劇場構造の基本」「ミュージカルにおける劇場テクニック」「劇場の問題点とミュージカルに適した劇場」「アジア最高のミュージカル劇場を作る」「様々な角度から見た作品解説25」「日本の劇場」「ニューヨーク・ブロードウェイの劇場」「ミュージカルの世界で活躍する人々」など。特にコラムの「劇場の記憶、僕の記憶」は、著者の原体験が描かれていて興味深い。ワタシも幼い頃に、ミュージカルを観ていたら、こんな本を書いていたかも!?

 

一度もミュージカルを観たことのないド素人のワタシでも、興味を持って読みました。オススメです。(・∀・)