昨年から夢中になっている二人の作者。この二人が対談集を出しているなんて!面白くないわけがないっ!!!
「文系教授(哲学)・土屋賢二と理系助教授(建築学)・森博嗣。超文系と超理系、こんなに違うものなのか。発想も思考も思想も性質もまったく異なる2人が、6回にわたって行ったトークセッション。小説の書き方から大学の不思議、趣味の定義、友人は必要なのかという根源的な問いまでを軽妙かつ神妙に語りつくす。読むと学びたくなる絶妙「文理」対談!そのエッセンスを紹介しよう。
・(森)書き始めるときはトリックも決まっていません。まず、 場所を決めます。で、登場する人間を揃えて、書き始めてから、 どうしようかな、と考えます。トリック、 トリックとそればかり考えても、思いつきませんよね。 この場所で、こういう人がちがいて……、 そういうふうに限定されてくると、じゃあ、 この部屋でこうしようかなと、ですから、 トリックだけきまっているということはないです。 始めからこう騙そうと決めて書いていくより、 こう相手が出てきたらこう、こう考えてきたらこう、 というふうにその場その場で相手のベクトルを利用して切り返した ほうが、切れ味が良くなると思います。
・(森)百年とか五十年ぐらい前の建物は強いです。 力学がよくわからなかったから、みんなすっごく丈夫に、 念を入れて造ったんですね。国会議事堂だとかは、 かなり強いはずです。その後、これぐらいなら大丈夫。
・(森) 女性のコレクターがいないから所有欲がないのかと思うと、 所有欲はもの凄くある。以前聞いて興味深かったのは、 女の子と男の子両方に人形を買ってあげる話です。 男の子は気に入ると、次々同じ人形が欲しくなる。 ウルトラマンを買うと、 ウルトラマンタロウとかたくさん買って欲しい、女の子は、 人形をもらうと、その人形の家が欲しくなる。 人形の座る椅子が欲しくなる。小さな社会を作ろうとする。 早く周りを囲って安定したまとまりを作ろうとする傾向があるとい いんです。 コレクションというのは同系列のものをひたすら集める行為なので 、いくら牛が増えても囲おうとしないわけです。
いいねえ。対談して、文字起こして出版すれば印税が入るなんて!(笑)オススメです!(・∀・)