「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「人生 気のせい 人のせい ツチヤ教授、代々木駅前の精神科医と語る」(土屋賢二×三浦勇夫)

最近、ハマっているツチヤ教授こと哲学者・土屋賢二さんの本。この文章がリズム感があってテンポがあってオチがあっていいんだよね〜!♪ (・∀・)


「わたしは以前から、考え方も笑いどころも一致するような気の合う人が見当たらず、この世の中にはマトモな人間がいないのかと思っていた。三浦先生と知り合って、やっと気が合う人がいたと思ったら、マトモな人間ではなかった」----。本書はそんな素敵な関係にある、「笑う哲学者」ツチヤ教授
79歳の精神科医三浦医師による夢の(?)対談。そのエッセンスを紹介しよう。
 
・三浦先生と最初に知り合った時の印象。電話に出なければよかった。受話器の「もしもし」という声だけで、一度も自分を厳しく律したことのない人だとわかった。「三浦です」ということばを聞いただけで、いい加減な気持ちで人生を渡ってきた老人だと分かった。昨夜初めて会った三浦勇夫(自称)という精神科医だ。残念ながら三浦先生もわたしも、人に生き方を説けるような人間ではない。どちらかといえば、人から注意されるタイプである。
 
・三浦氏は70代、切り上げると80歳の老人だ。わたしは切り捨てると50歳の紳士だ。30歳も差がある。30歳年上の男に親しみを感じたのは初めてだ。親近感を持つのがこれほどイヤだったことも初めてだ。わたしに似ている人はなぜ、わたしがなりたくないばかりなのだろうか。この人はよりによって病人を治しているのだ。まず自分を治すべきではないのか。
 
・(三浦)「真面目でないといい加減になれないんだ。ぼくのようなのが本当の真面目なんだ」
 
・(土屋)「診察するには、やはり患者の心を開かなければいけないと思うんですが、どうやって心を開かせるんですか
 
(三浦)「それは人によって違うから、一概には言えない。ただぼくがたまにやるのは、冗談を言うことそこから診察も始めます。隙を見て、会話の中に冗談を突っ込むわけ。そうすると向こうの心がフッとゆるむんですよ。これも治療なんだ
 
(土屋)「心を開かせるためには、自分がいいカッコしていてはいけないっていうことですよね」
 
(三浦)「うん、そうね。自分が心を開かないのに、相手が開いてくれることはないですよ。でも、精神科医にもそういうのできてないひとがいっぱいいますよ。悲しいことだ」
(土屋)「先生みたいにバカになれないですよ。ふつう。しんそこバカじゃないと無理です(笑)」
 
・(土屋)「大人がギスギスしているから、子どもだって愛嬌ある子にはならないですよね。親の姿しか、子どもは生身の人間を見れない。だからぼくは、親は自分の欠点や失敗を、子どもにさらすべきだと思うんです。いいところだけを見せようとしていたら、子どもは絶対に愛嬌のある人間にはならない

(三浦)「それを、ぼくは今孫にやっている。患者にヤブ医者だのニセ医者だのと言われているところを見せる(笑)。家に帰っても、「じいじ、おかえり」じゃないんだよね。ヤブ医者おかえり」「ニセ医者おかえり」と言われる。(笑)」
 
・「心の健康を保つのは簡単だよ。とにかく何でも人のせいにすればいい。人のせいにできるものは何でも人のせいにする。これは本当は秘中の秘」なんだけどね」
 
・(土屋)「患者さんを診ててストレスはたまらないですか?」
 
(三浦)「ストレスというより、だんだん年とってから、めんどくさくなってきたね。とくに、アンタみたいな言うこと聞かない患者が来るとね。そういう話に付き合っていると疲れてしまう。とくにこのごろはひどい」
 
(土屋)患者さんが少なくてよかったですね(笑)

 

いいなあ。オモシロイなあ。こういう老人になりたいなあ。続編、希望!オススメです。(・∀・)