「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「貧相ですが、何か?」(土屋賢二)

この本、なんで手元にあるんだろう!?誰かからススメられたのかなあ!?覚えてないなあ。土屋賢二さんって誰!?タイトルはオモシロそうだけど!?……ってカンジだったけど、読み始めたらオモシロイわー!!!当たりだわー!!!(・∀・)
 
 
「ある哲学教授は様々なものに恵まれない人生を送っているが、現在まで病弱を貫き通す根気は持ち合わせている。己の体重を棚に上げた女に責められた時、哲学教授は先んじて「貧相ですが、何か?」と問うた。すると「貧格だけは素晴らしい」と言い返された。体力、体重、女に恵まれないツチヤ教授にお恵みあれ」そのエッセンスを紹介しよう。

・本書を書店で手に取っている人は、おそらく本書を買うかどうかという問題に直面しているに違いないはっきり言おう。本書は読むべき本ではない。わたしはむしろ、読むべき本ではなくてよかったと思う。「読むべきではない」本のほうがはるかに面白く、隠れてでも読もうとするものだ
 
・本書の中でも妻の話が比較的多くなる。それは、わたしの生活の中では妻がトラブルの一大発生源だからだ。
 
反対するには理由が必要である。理由もなしに反対すると、身勝手な人間だと見抜かれてしまう。だが正当な理由が見つかることは少ない。そこで理由にならない理由をつけることが広く行われている。よく使われるのは「前例がない」「唐突だ」「正規の手順を踏んでいない」「規則だから」「どの国もやっていない」「戦争に結びつく」「昔は違った」「思いつきだ」「イヤだ」などだ。
 
・「棚を直してよ」「断る。わたしが棚を直した前例がない」でもあなたが二十年前にピアノを買ったときだって前例がないのに買ったじゃないの。前例にこだわるのなら、来週から夫をいたわろうと思ってたけど前例がないからやめるっ」「じゃあこうしよう。棚を修理するからピアノを買い換えさせてくれないか」そんなこといきなり言っても唐突すぎるでしょう」お前がそう言って要求を却下するのも唐突だろう」だいたい正規の手順を踏んでいないでしょう」「何だ?手順って」「まず世帯主の承諾書を提出してもらいます」世帯主はおれだろう」「いいえわたしです」「理屈はもういい。反対する本当の理由は何だ?」「イヤだからよ」「どうしてイヤなんだ?」「イヤだから」
 
・病弱なのは子どものころからだ。ふつう、病弱に生まれると、身体に気をつけ、丈夫な大人になるものだが、わたしは現在に至るまで病弱を貫いてきた。わたしは健康には気をつけており、一年に二十秒は腕立て伏せを実行し、気分で適当にサプリメントを飲んでいる。生活は不規則え、睡眠時間は一定していない。納豆は食べないが、野菜は気をつけて二日に一口は食べるようにしている。外見だって貧相だ。人間関係だって最悪だそいういう男が健全な生活を送れるはずがない。
 
 
「「ノー」と言わせない技術・その実際」「破綻した夫婦の会話は論理的にも破綻している」「女は礼儀に敏感である」「進退きわまる状況には進退きわまってしまう」「閉塞感が今の日本を覆っている……のか?」「わたしの大学に迷惑な男がいる」 など。
 
おおよそ哲学者とは思えないユニークでリズミカルな文章。オモシロイです。オススメです。(・∀・)