「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「明治維新の理念をカタチにした 前島密の構想力 」(加来耕三)

小学生の頃から、ずっと気になっている前島密。いまでも1円切手は、彼だよね。100年以上前に郵便制度をどうやってつくったのか?いつか彼の生涯を読んでみたいと思っていた。そこで出会ったのが、加来耕三さんのこの本!(・∀・)
 
 
変革の時代においては、社会の前提条件、現実そのものが著しく変化していく。昨日の常識、習慣、慣例、思い込みが、今日には通じなくなる。一刻も早く、多くの日本人が納得できる形で、時代を回天させなければならない――ここに前島密は、時代の枠組みを見据えた上での“構想力”をカタチにして導いていく。日本郵便(郵政)の父”と称されることの多い前島密だが、その功績は江戸遷都、新聞、鉄道、電信・電話、教育、運輸など多岐にわたる。本作は、まさに前島密の“大河ドラマである」そのエッセンスを紹介しよう。
 
 
・一円切手のイメージが、長くつづきすぎたからかもしれない。前島密」といえば、“日本郵便(郵政)の父”と称されることが多い。が、筆者(わたし)はこの人物名を表記する時、“日本近代化の父”と書きたく鳴る衝動にいつもかられる。なぜならば、日本近代化のスタートである明治維新ーその理想とされた新しい時代のあり方ー「いつでも」「何処でも」「誰でも」「自由に」「何処にでも」往来できるという社会を、具体的にな形に構想したのが、ことごとく前島密であったからだ。彼こそが、明治維新の理想を具体的な形に構想した人物といってよい。
 
手紙やはがきを同一の安価で、全国津々浦々へ、迅速にかつ正確に届けるという、画期的な制度(システム)を短期日に構築し「郵便為替」「郵便貯金」も創業した。電気事業をも同様に陸海へ、誰の目にも見え、体験できる形で推進した。
 
いち早く鉄道建設を考え、のちに関西鉄道JR西日本の前身の一)、北越鉄道JR東日本信越本線の一部)を自ら主宰もしている。また「陸運元会社(現・日本通院)」を創業に導き、“三菱”を育成して、日本の海運業を世界に雄飛させたのも彼であった。“商船学校”こと「私立三菱商船学校(現・東京海洋大学」も設立、情報伝達手段としての「新聞」の発刊にも向けられ「郵便報知新聞(現・スポーツ報知)を創業した前島は、この事業の公共性を考えて、新聞原稿の郵送料を無料にするといった、思い切った施策の実行も担っている。東京専門学校(早稲田大学の前身)の創立にかかわり、その経営危機に陥ったおりには校長もつとめている。
 
・なぜ彼は、これだけの業績をほぼ独力で、しかもわずかな期間に、財政に恵まれない中、達成することができたのであろうか。筆者はひとえに、その構想力”だった、と思っている。偶然ながら、この前島と同じ歳に、幕末の英雄・坂本龍馬が生まれていた。二人は実によく似ていた。“同気”の二人は、明治維新という未曾有の変革に遭遇し、まったくといっていいほど、先行きの不透明な読めない未来に対して、日本の進むべき具体的に構想し得た点が際立っていた。“構想力”は、大局観、先見性、洞察力を具現化する“力”と訳してもらってもかまわない
 
“構想力”を持つための前提として、次の3つが必要なのではないか、と考えてきた。
 
1 痛烈な問題意識を持っていること。そこから導き出された“哲学”が存在したこと。
 
2 二人が最先端の学問を積むことによって時代の趨勢(すうせい)、時代の本質を見抜く目を養うことができた点も大きい。しかも、複眼で捉えることができた。
 
3 きわめて現実的な決断力を持っていたこと。適確な決断をくだし得る勝負強さ利害損得の計算、大胆にして小心な判断力が備わっていた。
 
つまり二人には一般の人々には見えなかった“未来”が、具体的に見えていたということになる。

 

スケールが大きいなあ。今、龍馬や前島密が生きていたらどんな行動をするのだろう!?学ぶべきことが多いなあ。オススメです。(・∀・)