「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「我が師・志村けん 僕が「笑いの王様から学んだこと」」(乾き亭げそ太郎)

志村けんが亡くなってから早2年。ショックだったねえ。そして先日の上島竜兵。さらにショックだったなあ……。この本は志村けんの本だけど、時々登場する上島竜兵のエピソードがまた泣ける……。(T_T)
 
新型コロナで急逝した「笑いの王様」その絶頂期を付き人として仕えた著者が語る「知られざる素顔」。底抜けに優しく、笑いにはとことん厳しい天才の姿とは?そのエッセンスを紹介しよう。

 
・お会いしたときの第一印象は、「静かな人だな」というものでした。わりとボソボソしゃべる感じで、声も小さいのです。「笑いは正解のない世界だから、俺から教えることは何もないぞ」「田代(まさし)とか桑野(信義)は俺を『師匠』って呼ぶけど、実際の弟子からそう呼ばれるのは恥ずかしいから『さん』でいいよ」
 
麻布十番の焼き肉屋さんで、志村さんがいきなり青唐辛子を差し出しました。「生でたべてみろ」「いただきます。からーっ!」と言いながら、ゲホゲホ咳き込み、涙目になったのでした。そんな僕を見て、志村さんは笑いながら「いいか、それが辛いときのリアクションだから覚えておけよ」こうして振り返ってみると、体で覚えさせる教え方でした。
 
・「テレビカメラしかないスタジオでコントをしても、ウケているのか、ウケていないのか、見ている人の反応がイマイチわからない。自分が面白いと思ったものと、世間の人たちが面白いと思うものがズレていないか。これが確認できるから、お客さんの前はいい
 
「自分が面白いと思った人の言い方、表情、話の『間』を真似てみろ。最初はモノマネでも、いつかそれが体に染み込んでオリジナルになる」
 
「目の前にいる俺一人の気持ちがわからないで、テレビの向こう側にいる何十万人の人たちの気持ちがわかるか?」
 
「酒でクールダウンしないと眠れないんだよ」
 
「怒ってもお前が困るだけで、何も解決しないだろ」(志村のカバンを紛失した時)
 
・「俺はドリフのボーヤ(付き人)だった頃、いつもスタッフさんを笑わせていたぞ。お前は芸人になるために何をやった?何もしていないだろ。辞めて違う環境になったらやる』とお前は思っているかもしれないが、俺のところにいて何もしていないヤツが、俺から離れて何かをやれるわけがない」
 
「世間のヤツらが高木(ブー)さんのことを『何もできない』とよく言っているけど、普通に歩くのがどれだけ難しいことか。それをわかっていない連中が多いんだよんな」
 
・「誰かと話をしていて、『これ知っている?』」って言われたとき、知らなかったら話はそこで終わっちゃうよな。知っていて知らないフリをするのと、本当に知らないのはまったく違う」
 
「お前は俺にいろいろ聞いてくるよな。今、世間ではこういうことが流行っています。昨日こういう面白いニュースがありました。お前はそういう話をしろ」
 
・当時、志村さんは10日に一度くらいのペースで映画のDVDを買っていました。毎回10本くらい買います。そして、どんなに飲んだ日でも、自宅に帰ったら1本は見ていました。「どこにコントのヒントがあるかわからないし、映像の撮り方も応用できるかもしれない」「俺が寝ている間にもっと努力しているヤツがいるかもしれない。そう考えたら不安になるから見たほうが落ち着くんだよ」
 
どんなに飲んで帰っても、必ず一本は映画を見る。音楽もたくさん聴く。毎朝ニュースをしっかり見て、新聞も隅々まで読む。なおかつ、毎週水曜日のネタ会議に向けて、コントのネタを全身全霊で考える。そんな志村さん、女性との恋愛はどのようなものだったのでしょう。「俺は結婚したいし,子どもも欲しい。親子で『バカ殿様』をやるのが夢なんだ。寝室は夫婦別々。自分の寝室のドアには信号機をつけて、今日は一緒に寝たいと思ったときは青、一人で寝たいときは赤、という別居結婚が理想だ。結婚しても、俺は家にはまっすぐ帰らないで飲みに行く。まっすぐ家に帰る俺なんて、お前は嫌だろ?」
 
「子ども向けのネタを作っても、子どもにはウケない。ウケないだけはない。『バカにするな』と嫌われる。大事なのは自分が面白いと思うコント、大人が面白いと思うだろうコントを作ることだ。コントでちょっとバカな子どもの役をやるときも、バカをやっていると見せたらダメ。すぐに見抜かれる。『全員集合』の生放送が終わって会場を出るとき、『志村ってバカなんだぜ』って言っている子どもがいたんだけど、そのときは『ああ、よかった』と思ったな」
 
・「一時間番組で10本のコントをやるなら、10本全部を100点のコントにしたらダメだ。全部100点にしたら、どれも印象に残らない。どれも平均点、どれも50点のコントに見えてしまう。10本の中に60点とか70点のコントがちりばめてあるから、100点のコントが際立つんだよ」
 
・「マンネリの何が悪い。マンネリになるまでやれることがすごいんだ。悔しかったらマンネリと言われるまでやってみろ」
 
志村けん「市・村・県」に分解できるんです。
 
・「いいか、俺が何かのキャラクターを演じるときは必ず設定を作る。たとえば酔っ払いなら、その日何があって飲んだのかを考える。嬉しいことがあって呑むのと、つらいことがあって飲むのは酔い方がまるで違う。酔い方が違えば、しゃべることも違ってくる。だから俺がやる酔っ払いは毎回違う。」
 
 
・「鹿児島でリポーターに挑戦したいんですが、うまくやれる自信がありません。失敗したらどうしようという不安もすごくあります」肥後さん「俺ら芸人は、もともとロクなもんじゃないんだから、もしダメだったら『ダメでした!』と笑って帰ってくればいいんだよ。そうしたら俺たちは『けそはバカだなあ』ってまた酒が飲めるんだよ」
 
・「笑いは間が大事。どんなにくだらないネタでも、間がよければ人は笑う。ミュージシャンはリズム感があるから、間がいい人が多い」
 
・志村さんが亡くなったとき、LINEのビデオ通話で、ひかるさんと上島さんが、ふたりとも目を赤くして「あのハゲ死んじゃったな」上島さんが泣きながら言ったこの言葉に、僕の涙腺は完全に崩壊しました。ひかるさんも「いくら流行が好きだからって、この流行には乗らなくてよかったのにな」上島さんは「今日だけは泣いて、明日からは面白いエピソードを話していく」
 
「中古自転車とリムジン」「入念な準備と怒鳴られた理由」など。