子どものころ、大好きだった喜劇役者の東八郎。よかったよねー!画面に出てくるだけで笑える!そして急逝したときはショックだったよねー……息子の東貴博が芸能界にデビューしたときもビックリしたけど。(笑)
さて、この本。「お前のオヤジってバカだよな」。パパがテレビに出た翌日は、必ず学校でからかわれる。どうしたらパパのすごさが伝わるんだろう?イキで買った三十六色の絵の具も、友達を連れて行った松竹演芸場も、警察署で流した涙も、全部パパの誇りを取り戻すためだった--。笑って、泣いて胸が熱くなる。昭和の名コメディアン、東八郎とその息子の物語。そのエッセンスを紹介しよう。
・「いいか、この世に恥ずかしい仕事なんてないんだよ。絵を描く人、歌を唄う人、公園のそうじをする人、ゴミを持っていってくれる人、ラーメン屋さんだってヤキトリ屋さんだってみんな大事な仕事なんだ。仕事にすごいもすごくないもないんだよ。トイレがキレイなんもそうじをしてくれる人がいるからだろ。キレイだと気持ちがいいだろ。朝早くから魚を仕入れに行ってくれる人がいるからおいしいごはんが食べられるんだ。パパの仕事もそうだ。笑ってもらえれば楽しく暮らせるだろう。みんな必要な仕事なんだ。みんな人の役に立っているんだよ。わかるか……。いい車に乗っているから、大きい家に住んでいるからって偉いわけじゃない。もしそれに憧れるなら近づけるようにがんばればいい。
友達の悪口を言ったね。もっと友達を大切にしなさい。うちのパパが一番だって言ってくれたね。パパはたかひろの中で一番のパパになりたい。パパのことをこんなに思ってくれて……本当に、うれしい。ただ、ウソをついてまでパパのことを思ってほしくない。今のたかひろのままでパパのことを思ってほしい。パパはそれが一番うれしいんだよ。」
「そうか、お前は俺がこれほど言ってもわからないんだな……だったら好きにすればいい。パパとは関係ない所で何でもすればいい。ただこれだけは忘れるな。何があっても、俺はお前の味方だからな」
・「バカだなあお前」「バカじゃないのか」
みんなが笑ってくれる。バカだと言われても全然嫌な気がしない。むしろ親しみをもってくれている感じがして、うれしく思うんです。子供の頃、あんなに見栄や虚勢を張って「バカ」を否定していた自分に一つの答えがでました。
「お前のオヤジってバカだよなあ」
あれは褒め言葉だったんです。そして、僕を育ててくれる言葉だったんです。
そして今、心から思うこと。
パパと一緒の舞台に立ってみたかった。
パパと一緒にバカをやってみたかった。
親がボケて、息子もボケる。
「お前らバカな親子だな」って言われてみたかった。
でもいつかそんな日が来るかもしれません。僕は何があってもあなたの息子ですから。
「ヨーヨーと36色の絵の具事件」は、泣けるなー!誰も自分の父親は世界一だと思うもんね。いいよなー!オススメです。(・∀・)