「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「蘇ったミスター球団」(大下英治)

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この本は、スゴいっ!痛快!facebookの友人からの情報で知りました!こんな小説があったとは、知らなかった!長嶋さんの浪人時代に書かれたんだねー!あの頃のことが蘇るっ!!!(・∀・)
 
 
「ウィスキーメーカー「ミラクル」が、ライバル「ニック」に勝つ秘策として、セ・リーグに新球団設立をもくろんだ。しかも監督にあの長島茂雄をすえようというのだ、、猛烈なアタックの末、長島は就任を承諾し、ナインに中畑、篠塚、香川、そして現役復帰の江夏、小林、天才投手大リーガーのグッデンも獲得した。ペナントレースの幕が切って落とされた。優勝を目指し、巨人軍と激しい星のつぶし合いがはじまったのだ。だがその陰には球界のドン川上、そして読売サイドによる新球団つぶしのすさまじいスパイ戦が展開された。鬼才が描く奇想天外な架空実名小説『奇跡のミスター球団』改題。そのエッセンスを紹介しよう。
 
 
・「マスコミはおれのことを優柔不断だと書いているけど、それは違う。監督というのは、自分からなりたい、と言ってなるものじゃない。請われてなるものだあのときだっておれの方から、どこへ行きたいなんて言えるわけないじゃないか」
 
・立木が長島番時代、長島と飲んだり食べたりしたときには、かならず長島が払ってくれた。そのとき、長島は、かならず一万円札で支払う。お茶を飲んだだけでも、一万円札で払う。そのうえ、かならず「領収書、ちょうだい」と言って、領収書を受け取る。それでいて、店の外へ出ると、せっかく受け取った領収書を、ポイッと捨ててしまう。店の外に出て一歩踏み出すか、出さないか、というところでそうする。それなら領収書をもらわなければいいのに……と思うのだが、やはりもらう。
 
長島は、パッパッパとたくさん注文して、眼の前に料理をならべるのが好きだ。そうしておいて、おいしいところだけを食べる。あとは、平気で残す王貞治金田正一張本勲も、長島同様たくさん注文するが、決して残さない。
 
・長島は、自分に都合の悪い話や、核心に迫る話、あるいは忠告や説教じみた話になると、かならずそう言って逃げる。偉い人たちに説教じみたことを言われたときも「そのお話は、後日またおうかがいします」と言って話を避ける。
 
伊勢丹のイベントでチビッコの一人が長島に質問をした。長島さんは、いつも、いわゆるひとつの……とよく言いますが、どうしてですか」長島は、一瞬絶句したあと、答えた。それはですね、いわゆるひとつの……癖なんです」
 
 
・務台は、考えに考えたすえ、結論を下した。〈長島では、だめだ。男芸者のような野球、人気だけの野球はだめだ〉務台は、長島監督の落ち着きのなさも嫌いであった。
 
・中畑も、ジャイアンツの他の主力選手同様、長島のことをいまだ「監督」と呼んでいた。それでいて、王監督のことは「王さん」と呼んでいる。
 
 
・「ミラクル・フェニックス」ヘッドコーチ青田昇、バッティングコーチ中西太、ピッチングコーチ堀内恒夫、ピッチングコーチ補佐杉浦忠、守備走塁コーチ土井正三。選手としてはメッツのエースのドワイト・グッデンキューバから呼び寄せたビカンテ・デル。エスカンブライ・ムニョス、巨人から強引に引き抜いた中畑、篠塚、球界にカムバックした小林繁、『大洋』の屋敷、『中日』から平野、さらに『巨人』の松本、吉村、『南海』からドカベン香川、取手二高の石田文樹、『阪神』から藤田平、そして江夏豊
 

いいなあ。昭和60年にこんな小説があったんだ〜!読めてよかった!大満足の一冊っ!超オススメです。(・∀・)

 

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