「モーソー族のあなた、絶対に読むべし! 頭もよくない、お金持ちでもない、顔がかわいいわけでもない。そんな著者を幼いころから支えてきたのは、数々の妄想でした!」そのエッセンスを紹介しよう。
・懐かしのアニメの話をする時、 絶対にしてしまうのがハイジのとろけるチーズだろう。 木の枝に突き刺したチーズを火に近づけると、ちょっと早くない? というスピードでとろけはじめる。 そのピカピカ光ったチーズをパンにのせて食べるハイジに、 嫉妬さえ覚えたもんである。あのチーズ、食べてみたい!!
小学生のわたしは、一度、 ハイジのチーズを実行に移したことがある。 雪印6Pチーズを割り箸に刺し、 石油ストーブの火にかざしてみたのだ。 しかしチーズがとろけるより先に「割り箸に火がつく」 というアクシデントが発生。さらに、 割り箸を振り回して消化している時に、 母が部屋に入ってくるというダブル災難が起こったのである。
というわけで、こんな自分の失敗をもとに、 わたしは妄想人生を歩むことになったのだ。
・カッコいい幼なじみがいたらいいなー。「俺は男だ」 というドラマは、まさしくわたしの妄想のお手本であった。 高校の剣道部のキャプテンである森田健作と、 隣に住む優等生の美女との青春ドラマ。 ふたりの部屋が窓越しに向かい合わせになっていて、 窓を開けるといつでも顔が見えるという設定がたまらなかった。 窓を開けると、すぐそこにカッコイイ幼なじみ。
・わたしは現在、32歳の独身女である。 職業はイラストレーターで、仕事の依頼があれば仕事をして、 なければワイドショーを見るという毎日だ。 出かける場所のベスト3を挙げるなら、セブンイレブン、 第一勧業銀行、ドトールくらいである。友達も少ないので、 飲みに行く機会もそれほどない。
・本屋で同じ本を取ろうとしてある青年と手が触れあう。 それはやがて恋へと発展する。 大人になったわたし好みの妄想だった。 運命の人に出会えるとしたら、本屋のどのコーナー? 小説コーナーが無難だが、人が多すぎる。 これじゃ出会いの大安売りである。 ふと見ると建築コーナーがほどほどに空いていて、 しかも若い男率が高いではないか。同時に同じ本など、 相手が本に手を延ばした瞬間を狙うしか無理なのである。 そしてそれは、 人の本を横取りするイヤな奴と思われる可能性まであるのだ。 かくして、わたしの本屋運命作戦は失敗に終わったのである。
妄想もいいけど、やっぱり実践だよなー!でもこんな時期だし、妄想で楽しむか。モウソウダケでも食べようか。オススメです。(・∀・)