「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「どうしても頑張れない人たち ケーキの切れない非行少年たち2」(宮口幸治)

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 昨日に引き続きの続編。これ、スゴイわー!♪

 もしかしたら様々な犯罪や薬物汚染、セクハラ、パワハラ、いじめの根源はここにあるかもしれない。そのエッセンスを紹介しよう!

「頑張ったら支援します」ある会社の社長が元受刑者にかけていた言葉。同時に私の脳裏には「彼らがもしがんばれなかったらどうなるのだろうか?」「頑張ろうとしても頑張れない人たち、どうしても怠けてしまう人たちはどうなるのだろうか?」「そもそも頑張れない人たち、怠けてしまう人たちにこそ、本当は支援が必要ではないか」と考えずにいられませんでした。
 
発達障害などがある子どもたちは、病院に来れば適切な支援につながる可能性があります。しかし、本当の意味で支援の必要な子どもたちは、そもそも病院の外来などには来なかったのです。
 
「勉強したい気があればいくらでも資料を提供する」の逆は、やる気がなければ放っておかれる」ですが、本当に頑張ってほしいのは、放っておかれるやる気のあまりなさそうな学生なのです。
 
・本書ではこういった頑張れない人々について、本人たちはどう感じているのか、周りの支援者が少しでも工夫できることはないか、ちょっとした声かけや配慮で改善できることはないか、また支援者が良かれと思ってやっていることで逆効果になっていることはないか、大切なものを見失っていることはないか、支援者自身も頑張るためにどうすればいいか、といった観点で一緒に考えていきたいと思います。
 
多くが境界知能(明らかな知的障害ではないが、正常値を下回る境界線にいる子ども、おおよそIQ70〜84)であることが多いのです。かつて知的障害と区分されていた時代がありました。実際は、平均的な子どものだいたい8割くらいの発達レベルです。つまり10歳の子であれば、8歳くらいの精神年齢です。小学4年生の中に小学2年生の子が混じっているイメージを想像してください。授業でいったい何が話されているのかも分からず、ただ座っているだけで、同級生からもどんどん置いていかれます。また同級生との会話にもついていけず孤立したり、いじめに遭ったりする可能性も生じ、結局は本人が辛い思いをするのです。
 
「一生懸命努力して頑張れば必ずできる」この言葉にどれだけ多くの人たちが苦しめられてきたことでしょうでも、いくら励ましても、頑張っても、できない子がいるのです。そして常にできる子と比較されます。
 
「テストでいい点を取れた=頑張った」「テストで悪い点しか取れなかった=頑張っていない」という誤解が生じてしまいます。いくら頑張ってもできない子どもは、確実に存在します。そして、そういった子は結果を残せないので、“頑張っていない”と誤解されてしまうのです。
 
認知機能の弱さをもった人たちは、見る、聞く、想像するといった力が弱いため、いくら頑張っても入ってくる情報に歪みが生じてしまい、結果が不適切な方向に向いてしまうのです。いくら頑張ってもうまくいかず、失敗を繰り返し、次第にやっても無駄だと感じるようになり、頑張れなくなるのです。世間の事件を観ていますと、犯罪者があまりに後先を考えずに行動している例が多いように感じます。彼らは、こういった先を見通す力の弱さがあるのではないか、とも推測されます。
 
「食べ物が全くないとか、家が火事になって住むところがないような状態だとしたら、仕事を頑張れますか?」子どもの勉強のやる気についても同様だとわかってもらえます。
 
「みんなと同じでなくてもいい」も本人たちの心の底には、「みんなと同じになりたい」という気持ちが必ずあると私は思っています。
 
・子どもに毎日「もっと勉強しなさい」という母親に対してもしあなたが周りから毎日『もっと減量しなさい』と言われ続けたらどう思いますか?」
 
「頑張らないと頑張れないの違い」「スポーツでも事情は同じ」「堅実な目標が立てられない」「やる気を奪う言葉と間違った方法」「場違いな褒め言葉」「非行少年たちの3つの願いから学ぶこと」「笑顔とホスピタリティ」「出来ないボクは「失礼」な人間」など。
 
著者の宮口ドクターってなんて、やさしいんだろう。仏様の慈悲を感じる。この本で勇気づけられる人も多いだろうなあ。いろいろな人がいていいよね。超オススメです。

 

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