「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「雨の日と月曜日は」(上原隆)

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ときどき、上原隆さんの本が読みたくなるときがあるんだよね。この本のタイトル、カーペンターズ「雨の日と月曜日は」聴きたくなった!♪
 
 
「何がいけないわけではないのに、孤独でブルーなときがある。雨の日みたいな人生は、どうやり過ごしたらいいだろう。苦労人の父が定年後に自費出版した本、大学時代に憧れた女性の三十年後…人生の光と影を淡い水彩画のように描き、小さいけれど確かな希望を見つけだす。「日本のボブ・グリーン」による、不思議な安堵感に溢れたエッセイ集。「1ミリでも変えられるものなら」改題。そのエッセンスを紹介しよう。
 
・私の座右の銘「成功というものはしばしば、何をすべきかを反省するひとよりも、むしろ行動を事とするひとに訪れるものだ」
 
・武蔵野美術大学四年の井上迅さんは、卒業制作で「風の辞典」というものを作っているのだといった。「風にまつわる全てを入れるんです。上原さん何かありますか」彼が私にきく。「加藤(典洋)さんがね、網戸を通ってくる風を入れてくださいっていうんです。それで、それをところてんと名づけてっくださいって」私は笑い、彼も笑った。私は感心した。網戸を通る風が加藤さんには見えていたのだろう。
 
・文章を書きはじめた頃、哲学者に「見たままに書くんです。映画のように書きなさい」と教えられた。私の書くものはハリウッド映画ではなくて、八ミリ映画だと思っている。カタカタと映写機の音がして、白い壁に映し出される映像は、画質が粗く、動きがぎこちない。映っているものといえば、旅行先の家族や、自分の部屋の机や、原っぱを走りまわる犬といったたわいもないものばかりだ。なぜかそのたわいもないものが胸に迫る。八ミリ映画は切ない。その切なさが私の文章にも宿っていることを願う。
 
・自分を変えようとする努力が実らないのならば、生きていることは虚しいのではないか。こう考えたらどうだろう?ひとは変わらない。でも、1ミリでも変えようという努力をすることが自分の人生への愛着を生むのだ、と。
 
「『たった一度の人生ならば、ーで送りたい』の『ー』を本当の意味で埋められるものなら埋めてみな!」
 
「小さなことの中にこそ重大な思想はある」様々なひとを取材していて、そのひとの態度にあらわれる小さなことに私の心はグッとくる。感動する。よく考えると、そこにこそひとが生きていく上での重大な思想があるような気がした。
 
自動販売機のような私」「サウダーデ(失って二度と取り戻すことのできないものや、去ったひとへの懐かしさとか、日常ふいに心をよぎる哀愁とか郷愁)」「営業という仕事」「針生森にきいた映画の話」「模型『私』」「父の本」「ルポルタージュ・コラムのできるまで」「年齢」「嘘をつく」「時間を味方に」「体験カプセル」「遊びは苦手」「文章を書く喜び」「関川夏央・私コラム」など。

 

チカラが抜けた感じがいいんだよね。共感できる内容がホント、多いわ。オススメです。(・∀・)

 

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