いや〜このシリーズオモシロすぎるなあっ!!!自分が体験することはできないので、こういう体験記でさまざまなタイヘンな職業を追体験できるっ!!!これは経験者でしか語れない、書けないっ!(・∀・)
「あと数年でなくなる仕事」それでも現場の苦労や汗はなくならない。検針員がえぐりだす、労働と人生のリアル――これが生きること、働くこと――大反響を呼んだ『交通誘導員ヨレヨレ日記』シリーズ第3弾」そのエッセンスを紹介しよう。
・電気メーターの検針は簡単である。電気メーターを探し、 その指示数をハンディに入力し、「お知らせ票」を印刷し、 お客さまの郵便受けに投函する。一件40円。件数次第で、 お昼すぎに終わることもあれば、夕方までかかることもある。 仕事は簡単なので、 計器番号などの小さな数字を読みとれる視力があり、 体力があれば、だれにでもできる。
・しかし、雨の日も、台風の日も、雪の日も、そして暑い日も、 寒い日もある。放し飼いの犬もいれば、いらいらした若い男も、 ヒステリックな奥さんもいる。 私は50歳からの10年間を電気メーター検針員としてすごした。 その経験を書いたのがこの本である。 あと数年で電気メーターの検針の仕事はなくなってしまう。 スマートメーターという新しい電気メーターの導入で、 検針は無線化され、 電機の使用量は30分置きに電力会社に送信されるからだ。 なんらかの都合でスマートメーターを設置できないところを担当す る検針員がわずかに残るだけである。
・今後、検針員が仕事中に犬に咬まれることも、 ハチに刺されることも、家の人に怒られることも、 高いところから転落することもなくなる。 しかしメーター検針員という仕事がなくなっても、 本書で書いた現場では働く人の苦労はなくならないだろう。 低賃金で過酷で、 法律すら守ってくれない仕事がどこにでも存在しつづけ、 そこで働く人たちも存在しつづける。ただ、 そうした仕事をしている人たちも自分の生活を築きながら、 社会の役に立ち、 そして生きていることを楽しみたいと思っているのである。
・九州から北海道、日本全国に何万人の検針員がいるのだろうか。 電機メーカーだけではない、ガス、水道の検針員もいる。 ふと日本全国の検針員に思いをはせてしまう。
その他、「激怒した若い男:引っ越し中の検針作業」「七つ道具: 職務質問間違いなしの代物たち」「稼げる地区、稼げない地区: だれだってラクに稼ぎたい」「検針員の喜びと楽しみ: 優美受けのおもちゃのヘビ」「休日、苦情の電話:「お知らせ票」 を入れたのは誰?」「連帯責任:ハンディ盗難事件の後始末」「 ふたつの死:東郷さんと高木さん」「クビ宣告: 定年まであと5年を残して…」など。