「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「メーター検針員テゲテゲ日記」(川島徹)

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いや〜このシリーズオモシロすぎるなあっ!!!自分が体験することはできないので、こういう体験記でさまざまなタイヘンな職業を追体験できるっ!!!これは経験者でしか語れない、書けないっ!(・∀・)
 
「あと数年でなくなる仕事」それでも現場の苦労や汗はなくならない。検針員がえぐりだす、労働と人生のリアル――これが生きること、働くこと――大反響を呼んだ交通誘導員ヨレヨレ日記』シリーズ第3弾」そのエッセンスを紹介しよう。
 
 
電気メーターの検針は簡単である。電気メーターを探し、その指示数をハンディに入力し、「お知らせ票」を印刷し、お客さまの郵便受けに投函する。一件40円。件数次第で、お昼すぎに終わることもあれば、夕方までかかることもある。仕事は簡単なので、計器番号などの小さな数字を読みとれる視力があり、体力があれば、だれにでもできる。
 
しかし、雨の日も、台風の日も、雪の日も、そして暑い日も、寒い日もある。放し飼いの犬もいれば、いらいらした若い男も、ヒステリックな奥さんもいる。私は50歳からの10年間を電気メーター検針員としてすごした。その経験を書いたのがこの本である。あと数年で電気メーターの検針の仕事はなくなってしまう。スマートメーターという新しい電気メーターの導入で、検針は無線化され、電機の使用量は30分置きに電力会社に送信されるからだ。なんらかの都合でスマートメーターを設置できないところを担当する検針員がわずかに残るだけである。
 
・今後、検針員が仕事中に犬に咬まれることも、ハチに刺されることも、家の人に怒られることも、高いところから転落することもなくなる。しかしメーター検針員という仕事がなくなっても、本書で書いた現場では働く人の苦労はなくならないだろう。低賃金で過酷で、法律すら守ってくれない仕事がどこにでも存在しつづけ、そこで働く人たちも存在しつづける。ただ、そうした仕事をしている人たちも自分の生活を築きながら、社会の役に立ち、そして生きていることを楽しみたいと思っているのである。
 
・九州から北海道、日本全国に何万人の検針員がいるのだろうか。電機メーカーだけではない、ガス、水道の検針員もいる。ふと日本全国の検針員に思いをはせてしまう。
 
その他、「激怒した若い男:引っ越し中の検針作業」「七つ道具:職務質問間違いなしの代物たち」「稼げる地区、稼げない地区:だれだってラクに稼ぎたい」「検針員の喜びと楽しみ:優美受けのおもちゃのヘビ」「休日、苦情の電話:「お知らせ票」を入れたのは誰?」「連帯責任:ハンディ盗難事件の後始末」「ふたつの死:東郷さんと高木さん」「クビ宣告:定年まであと5年を残して…」など。
 
過去存在した仕事で、いまはもう無くなってしまった仕事ってあるよね。幇間太鼓持ち)、羅宇屋、蒸気機関車のかま焚き、活動弁士活弁士)、電話交換手、書生などなど。そのうちに貴重な本になるかも。オススメです。(・∀・)

 

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