「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「交通誘導員ヨレヨレ日記」(柏耕一)

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交通誘導員ヨレヨレ日記
毎日のように出会う、というかすれ違う、というか見かける、交通警備のヒト。確かに年配のヒトが多いよね。なかにはオバちゃんもいて、ビックリするというか、それが当たり前だったりもするんだけど。見慣れてるよね。(・∀・) あのヒトたちは、どんな思いで、どんな仕事で、どんなドラマがあるのだろうか!?
 
「喜びも笑いも涙もすべて路上にあり。「誰でもなれる」「最底辺の職業」と警備員自身が自嘲する交通誘導員の実態を、悲哀と笑いで描き出す――すべて実話の生々しさ――
全国55万人強の警備員の主流をなしている「交通誘導員」の人間臭いドラマを克明に描いた初めての作品。通行人にクレーム入れられ、現場監督に怒鳴られ、警察に注意され……。それでも私は今日も路上に立つ」そのエッセンスを紹介しよう。
 
・どこの街を歩いても目につく人がいる。工事現場に派手目の制服で交通誘導や歩行者の案内をする交通誘導警備員だ。この交通誘導警備員は全国でおよそ55万人強(2017年末)近くいる警備員の主流(約40%)をなしている。交通誘導警備員の不足は深刻で、そのため工事の中止や遅れさえ起きているが、その実態は世間によく知られていない。まして実体験者のレポートは皆無に近い。2年近く交通誘導の仕事に従事するうち、高齢化社会の進む現代日本の縮図がここにあると気づいた。私が在籍する警備会社は所属警備員の8割が70代だ。
 
交通誘導員は一般的に毎日依頼先も現場も同僚警備員も違う。近隣住民やドライバーにもさまざまな人がいる。年齢も違えば多様な価値観を持つ人間の集まるところにドラマが生まれる。私はそれを体験し見聞きしてきたから、面白くないはずがない
 
交通誘導警備は、基本的には屋外が仕事場である。だから肌がすぐ焼けてしまう女性にとってつらい職場環境である。女性が少ないのもうなずける。まして若い女性となるとさらに少ない。
 
日勤一日9000円前後。夜勤はプラス1000円2級資格はさらに1000円の手当、隊長手当を月1万円、さらに年末には寸志(私は2万5000円)を支給する会社もある。働けば日払いもあり家がなければ寮もある嫌が応でも社会とのつながりもできるとりあえず就業すれば最低限の社会生活が可能なのが警備員かもしれない。仕事として楽しい楽しくないは別として、決して悪い選択ではないのではないか。土壇場に追いつめられた人にとって交通誘導員の仕事は社会との最後の“蜘蛛の糸かもしれない。
 
ボク(84歳)は昔から年上の女が好きなんだよ。今はもう男として役立たずだけど、3、4年前まで現役だったからその時分までの話。家の近くのスナックに来る婆さんは金に余裕があっておしゃれなの。だから年齢より見た目10も若いし、気も若い。男に対する好奇心も遠慮がない分、若い女と変わらないよ。セックスがいいんだよ。あのすごいよがり声は怖いもののなくなった女の最後の喜びの声んだね。
 
この日記には人格者はほとんど登場しない。逆に意地悪な人、こうるさい人、威張る人などはたった一回の現場でも強く印象に残る。この仕事をしてこんなに価値観や性格の違う人がいるのかと驚かされた。時に現場の監督には極端な人がいてしばしば驚かされる。
 
・さまざまな現場で仕事をしてきて思うのは、人柄のいい親方の下には粗暴な作業員はいないし、乱暴な言動をする親方の下には同じような作業員が多いことだ。
 
「猛女:子連れ女性のたくましきパワー」「人は嘘をつく:妻に責められる私の、身勝手な弁解」「プライド:「大学出て警備員」は恥ずかしいのか?」「陽気な異邦人:外国人労働者たちとの交流」「パチンコ屋警備:監視カメラもあって気が抜けない」「承認欲求:警備員の喜びってなんですか?」「誘導ミス:交通誘導警備員が一番恐れること」「たかが挨拶:なぜ挨拶をしない人が嫌われるのか」「警備員は歯が悪い?:歯医者に行く時間がないか金がないか」「通報される人:こんな行動は警備員失格!」「コミュニケーション能力:警備員に外国人が少ないのはなぜ?」「できない警備員:ここにも能力格差は存在する」など。

 

このシリーズ、オモシロイよね〜!他も読んでみよ!オススメです。(・∀・)

 

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交通誘導員ヨレヨレ日記